2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13087
|
Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
喜始 照宣 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教 (40798922)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 芸術系大学 / 大学から仕事への移行 / インタビュー / 文化・創造産業 / 芸術労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、芸術系大学・学部出身者を対象に、かれらが大学卒業後にどのようなキャリアやライフコースを形成しているのかを検討することで、芸術系分野の仕事への継続的な関与はそこからの離脱はどのような要因によって生じているのかを解明することにある。 本研究の意義は、これまで「教育」への視点が希薄であった芸術生産者の社会学的・経済学的研究と、専攻分野による違いを十分議論してこなかった、大学から職業への移行研究を接合し、日本の芸術系分野における大学と仕事との接続関係について新たな知見を提供する点にある。 2年目となる本年度は、昨年度から引き続き、国内外における芸術系高等教育機関に関する研究、当該教育機関と芸術労働市場との関係性に関する研究をレビューした。それらの研究知見を踏まえたうえで、インタビュー調査を実施する際の質問項目の検討も再度行った。 また、芸術系大学卒業生に対するインタビュー調査も実施した。今年度の調査協力者は2名であり、1名は美術作家、1名はデザイン系の教員である。前者のインタビューからは作家活動を継続する上での情報発信の重要性について、後者からはご自身のキャリアだけではなく、教員の視点からこれまでかかわった学生の傾向(大学入試から大学生活、卒業後進路等)について有益な情報を得ることができた。ただし、年度末における新型コロナウイルス感染拡大防止にかかわって、計画・予定していたインタビュー調査を数件キャンセルした。 その他、本研究に関連して、学会大会や研究会での発表、美術系大学の卒業作品展の見学等を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究のテーマとも大きく関わる、美術系大学の学生調査をもとにした論文の執筆作業に時間を要し、また新型コロナウイルス感染防止対策の影響で計画・予定していたインタビュー調査がキャンセルとなったため、当初予定していたよりも調査データの収集が遅れている。また、音楽分野の調査協力者が十分に集まっていない。収集した調査データの分析は徐々に進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も継続的に芸術系大学卒業生へのインタビュー調査を進める予定である。また、現時点での調査協力者数が予定よりも少数となっているため、芸術系大学の関係者とコンタクトを取り、より多様な働き方や活動をしている方々にインタビューを行っていきたい。
|
Causes of Carryover |
インタビュー調査の実施件数が当初計画よりも少なくなったため、調査に関わって生じる予定であった旅費や音声データの反訳に関わる費用等が少額となり、次年度使用額が生じた。そのため、今年度未実施分も加え、さらにインタビュー調査を進めるために助成金が必要となる。また、調査研究をすすめるにあたって、データ分析に関わる物品や書籍の購入費、調査で得た音声データの反訳に関わる業務委託費が必要となる。
|
Research Products
(1 results)