2019 Fiscal Year Research-status Report
ジェンダーの視点から捉える非行からの立ち直り―当事者への追跡調査を通して
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18K13101
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
都島 梨紗 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (70779909)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非行からの立ち直り |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,引き続き国内でのインタビュー調査を進めるとともに,国際比較調査を進めるため,調査協力者を探すことに尽力した。 インタビュー調査は,連絡が取れなくなったものも居たが,新規の調査対象者も含めることができ,これまでのデータを補填することができた。今後はさらに現在の繋がりを活かしながら,より厚みのあるインタビュー調査を実践するとともに,アンケート調査にも着手する予定である。 国際比較調査について,学会を通して台湾出身の犯罪学研究者にアクセスすることができた。調査協力者として研究の協力を承諾してもらい,研究会で具体的に研究交流を行い,調査の計画を話し合うことで合意を得た。しかし,具体的な調査や研究会を進める計画段階で,COVID-19の世界的な流行が発生したため,研究計画は保留となった。今後も協力者には継続して協力を依頼しているが,国際比較調査を軸とする研究計画を立てることは現時点で困難であるため,次年度以降の研究計画を見直す必要がある。 そのため,次年度以降は日本国内での調査遂行に力点を置き,より厚いデータ収集と分析を行っていくこととする。具体的には,アンケート調査といった量的な手法を取り入れることで,調査対象を多面的に描き出していく研究を構想している。 今年度はこれまでの調査研究の成果を報告するため国内での大規模な全国学会で2件研究成果報告を行った。学会報告でのディスカッションの経験を踏まえ,次年度以降学会報告や論文,図書などの執筆を目指し,研究成果を積極的に公開していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は台湾との比較研究も視野に入れていた。本年度は,台湾の調査研究を遂行するための有力な研究協力者を探し出すことができた。しかしながら,COVID-19の世界的な流行により調査の依頼や渡航の準備がすべて滞っている。また,研究成果を報告する機会や,調査を進める時期を長期休暇中である1月~3月を中心に設定していたため,それらの予定もCOVID-19の流行を受けて中止せざるを得なくなった。そのため,「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の世界的な流行の影響は,本年度以降も継続すると考えられる。そのため,国際比較調査のウェイトを極力小さくする必要があると考えられる。また,これまで通りインタビュー調査を対面で進められる可能性も低いことから,ウェブ上でのインタビュー調査や現在のコネクションを活用したアンケート調査などに切り替える必要があるといえる。来年度は,アンケート調査の構想を練り,充実したデータ収集を実行していきたい。 また,これまで得た台湾に関するデータや国内のインタビューデータ等を整理し,学会報告や論文,図書の刊行などを通し,研究成果として積極的に公開し,さらに研究を推進していきたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的な流行により,予定していた研究出張がすべてキャンセルになったため。残り2年研究年度があるため,2年間を通して,研究に必要な図書や備品,出張経費に充てる。また,COVID-19の流行については今後も先行き不透明なため国際比較調査は断念せざるを得ないといえる。しかしながら研究を当初の予定と遜色ないレベルで遂行するため,国内での調査研究に専念して研究を進めていく必要がある。そのため,当初は予定していなかったアンケート調査も視野に入れて準備を進める。アンケート調査を遂行することで,質・量双方の手法を用い,国内の対象者の特性を多角的に描き出すことができる。
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Research Products
(2 results)