2018 Fiscal Year Research-status Report
サブサハラ・アフリカの高等教育分野における学生の国際モビリティに関する地域研究
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18K13189
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
成澤 徳子 北海道大学, 国際連携機構, 特任助教 (90614107)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高等教育 / モビリティ / 大学の国際化 / 留学生市場 / 留学生ニーズ / 移民 / 国際比較研究 / サブサハラ・アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学生の国際移動が頻繁で将来性のある留学生市場として世界に注目されているものの、いまだ高等教育のエリート段階にある学生の海外留学に関して、意思決定要因を含めたミクロな動態が十分に解明されていないサブサハラ・アフリカ地域について、高等教育分野における学生の国際モビリティの実態を包括的に明らかにすることである。 初年度の平成30年度は、サブサハラ・アフリカ各国の高等教育に関する文献及び高等教育関係機関の資料を収集し、マクロな学生移動の動向を分析することを中心に研究を進めた。また現地調査は、自身が長期出張している南部アフリカのザンビアで実施したほか、サブサハラ・アフリカ域外との比較調査のため、アフリカ移民が近年増加を続けるブラジル及びアフリカからの学生の伝統的受入国であるフランスで実施した。サブサハラ・アフリカ出身の学生を受け入れている大学教員や、サブサハラ・アフリカから現地大学へ留学中の学生に対して、学生の留学動機や進路志向等の具体的事例に関する聞き取り調査を実施した。また、パリでは社会科学高等研究院やユネスコ国際教育計画研究所等を訪問し、サブサハラ・アフリカ地域の学生の国際移動に関する資料収集をおこなうとともに、今後の現地調査や分析の方法について関係分野の研究者からアドバイスを得た。これら調査結果の分析を継続して進め、国際学会及び学術論文で発表することを次年度の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に研究成果の公表まで至れなかったが、実施を計画していた文献渉猟及び現地調査は順調に進んでいる。また、現地調査でおこなった研究者・実務家との議論のなかで、他地域との比較検討も深まりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
サブサハラ・アフリカ地域の学生の国際モビリティに関する動態を包括的に明らかにするため、初年度に主におこなったマクロな学生移動の動向調査と並行して、留学先の修学言語や経済的負担、移民政策、教育プログラムの学術的評価の高さや柔軟性等の観点から特徴的な留学傾向を示す、学生の進路決定に関するミクロな事例の収集と分析を進める。研究課題に関するさらなる議論の展開を視野に入れ、初年度に築いた国内外の研究者とのネットワークを活かして研究成果の発表に努める。
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