2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児期から学齢期における人工内耳装用児の言語能力と対人関係能力の縦断研究
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18K13226
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
白井 杏湖 東京医科大学, 医学部, 講師 (10626279)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人工内耳装用児 / 対人関係能力 / 実用的言語能力 / 社会発達 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼稚園から小学校までに幼児、学童の人工内耳装用児の実用的な言語スキル、および対人関係スキルの適切な評価法を解明することと、その実情を明らかにすることである。前年度において、研究対象者を選定し、上記スキルを評価するために、旭出式社会適応スキル検査を実施し、回答を回収した。また、同対象者において、聴取能検査、語彙力検査など他の検査も診療の一環として実施した。 同対象者を前向きに追いかけていく縦断研究であるが、まず初年度の横断研究結果として、人工内耳装用児において、すべての年代群において言語スキル、対人関係スキルともに同月齢の健聴児の獲得の45パーセンタイル未満にとどまり、獲得が遅れていた。また、就学前から小学校低学年にかけては獲得は健聴児に近づくものの、小学校高学年になると再び健聴児との差が開く傾向にあった。本結果について、データを解析し、研究会で発表した。また、本年も学会発表と、論文発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標症例数の100例には満たなかったもの60例以上の症例からのデータは得られ、現在検討中である。当初データ採取が夏~秋にかけてで完了すると思っていたが、なかなか回答が回収できなかったりして初年度のデータ採取冬になってしまったことから、今年度の採取時期も秋~冬へ変更しなくてはならないためやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断研究を遂行するために、初年度の患者に今年度、来年度も回答を依頼する必要がある。また、不足データが生じないよう、計画性をもって診察時に何度かわけて検査施行を予定する。2019年度は夏から対象者にアンケート回答の協力依頼をすすめるとともに、診察時の検査計画を立てる。また、2018年度の成果として、横断研究として各対象者のデータをまとめて論文化する。
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Causes of Carryover |
データ回収の遅れにより2018年度に発表できなかった論文作成にかかる経費を次年度に持ち越した。論文作成、学会発表に使用予定。
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Research Products
(2 results)