2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13367
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 絵実 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 学振特別研究員(RPD) (30462203)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 実験システム構築 / 脳磁図 / 呈示刺激作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間は日常的に様々な感覚系から継続的な入力を受けている。このような多感覚入力環境下における我々の適応的な知覚認知・行動は、神経系がこれらの入力から素早く変化を検出し、感覚系間でそれらの情報を照合・統合し、適切な行動に結び付けることで可能になっている。本研究課題では、この過程のうち、カテゴリーの感覚種間照合に関わる脳磁場活動に着目し、その時空間動態を明らかにすることを目的としている。 本年度は、そのための実験システムの構築と、呈示刺激系列の作成を行い、実験室での稼働が可能かどうかを確認するところまでを実施することを目標としていた。申請時には、申請者がこれまでの研究で用いていたシステムを改変して利用する予定であったが、使用システム老朽化のため、使用は困難と判明した。そこで、新たに実験システムの構築するところから行うこととした。脳磁場活動は、非常に細かい時間単位で変動する。本研究では、その脳磁場活動を1000分の1ミリ秒単位で記録する。そのため、脳磁場計測のための実験システムは、実際の刺激が呈示されるタイミングと、刺激呈示の時点として脳磁場記録装置に入力されるトリガーのタイミングが正確に制御される必要がある。本研究ではひとつの実験内で聴覚と視覚という異なる刺激モダリティを同時に制御する必要があったため、より専門的な知識がある協力者の協力のもと、基本的なシステム構築から取り組んだ。基本的なシステムのテストにおいては、視覚・聴覚ともに、刺激とトリガーの同期性を正確に制御できることを確認した。今後、実際の実験室内で利用可能な形に仕様の変更を行う必要がある。呈示刺激系列の作成に関しては、新たなシステムでの系列づくりとなり、刺激の素材を組み合わせる作業に予想以上に多くの時間を要したため、現在も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、実験に用いる視聴覚呈示刺激システムの構築と、刺激系列の作成を完成させ、実験室での正常な稼働を確認する予定であった。しかし、システム構築に関する研究協力者が急逝したために、実験室用の仕様への変更方法を探っている段階である。予想外のことだったため、システム移行方法は共有されておらず、現在今後の研究推進方法の変更が必要かどうかも含めて、検討中である。また、呈示刺激の系列作成にも予想以上の時間を要したため現時点ではまだ未完成の状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、呈示刺激の系列作成を行い、次年度の早い段階までに完成させる。作成中の実験システムについては、他の研究協力者とも相談し、実験室用の仕様への変更が可能かどうか意見をもらう一方で、万が一、再度最初から別のシステム構築の必要性が出てくる可能性があるかどうか、あるいは、研究推進方法の大幅な変更の必要性についても検討しながら、進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたことにより、現時点では実験準備段階のため、実験室内での使用機器や、謝金、施設利用費等が前年度には必要とならなかった。よって、当該助成金は次年度へと繰り越されることとなった。次年度には、前年度に予定していたシステムの実験室への導入、予備実験・本実験の実施により、必要機器の購入や、謝金、施設利用費等として当該助成金を使用する予定である。
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