2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the details of midtarsal joint locking mechanism based on a biplanar X-ray fluoroscopy and a finite element analysis
Project/Area Number |
18K13732
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 幸太 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (20816540)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ヒト中足部 / 直立二足歩行 / 3次元骨格動態 / X線透視計測 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、屍体足を用いた蹴り出し時の骨格動態計測の本計測をおこなう予定であったが、新型コロナウイルスにより屍体足を用いた新規の実験をおこなうことが不可能となった。そこで、昨年度構築したヒトおよびチンパンジー足部の有限要素モデルを用いて、新しい力学条件における足部の有限要素解析を進めた。具体的には、二足歩行中の足部運動を計算器内で再現するために、あらかじめ計測した成人男性一名の二足歩行中の下腿運動データをもとに足部モデルを動かすことで、二足歩行中の足部動態をシミュレートした。その結果、立脚期中期から蹴り出しまでの足部運動を、構築した足部モデルを用いて再現できることを確認した。また、ヒトやチンパンジーの足部構造が、不整地面においてどのようにして好ましい接触条件を作り出しているのかを理解するために、前額面内で傾きを持つ傾斜面上で自然立位をおこなった際の足部解析もおこなった。 二足歩行運動や不整地面における自然立位の解析と平行して、構築したモデルの妥当性を評価するために、これまで定量化した静的荷重条件における屍体足骨格運動のデータと、同様の力学条件を再現したシミュレーション結果の比較をおこなった。荷重による足部の各骨の回転量(姿勢変化)は、実験とシミュレーションで定性的に傾向が一致したものの、内外側方向の並進量で差異が見られた。今後は、現在モデルに与えている物性値や力学条件が、実際の足部や実験条件と合うようにモデルの調整をおこなうことで、より精密な足部モデルの構築を目指す予定である。 最後に、蹴り出し時における解析の前段階としておこなった、ヒト足部と類人猿足部の鉛直静荷重下における骨格動態計測の結果をまとめ、論文として投稿した。
|