2019 Fiscal Year Research-status Report
超精細断層像で生体内部の微細構造を詳細に観察する次世代型MRI技術の開発
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18K13764
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 昌也 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (00807844)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MRI / Non-harmonic Analysis / 超精度解析 / 高分解能 / 超精細技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
高速フーリエ変換(FFT)に比べ大幅な精度向上が見込まれるNon-Harmonic Analysis(NHA)を医用断層撮影装置であるMRIへ応用し、1.5テスラMRIで可視化が困難な700μm以下の体内深層の微細構造を観察できる超精細技術の開発を目的に研究を行った。本研究では、物理ファントムを1.5テスラMRIで計測し、MRI計測データをNHAで高精度解析することで、従来の分解能よりも微細な空間に存在する物体をNHAで可視化できるか基礎的な検討を行った。 令和元年度では、NHA解析によるMRI画像の高品質化を図るため、MRI計測時の環境条件、ノイズ混入要因等を基にNHA解析パラメータの最適化を行った。また、NHA解析結果に対しフィルタ処理を適用し、微小構造同士の滑らかな接続やエッジの先鋭化を行うことで、より高品質にMRI画像を再構成する技術の開発を行った。また、本研究で使用している1.5テスラMRIよりも高分解能である共焦点レーザー顕微鏡で物理ファントムを撮像した画像とNHAによるMRI画像の比較を行い、分解能、位置情報、解析アーティファクトに関して主観評価を行った。比較の際は、顕微鏡画像から700×700[μm]の視野に存在する微小構造を抽出しNHA解析によるMRI画像と重ね合わせることで、1.5テスラMRI画像で700μm以下の微小構造が観察できているか検証した。その結果、従来は空間分解能の不足により観察が困難な微小構造を、NHA解析によるMRI画像で可視化できている可能性を示した。現在、上記の成果に関して論文にまとめており、近く投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共用のMRI装置の故障により、ハードウェア部品の修理・取り換えに半年程度の時間を要したこと及び新型コロナウィルス感染症の流行により、データ計測に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
計測可能になり次第、順次生体データ等の計測を行っていく予定である。 また、計測済みデータを利用して、NHAを使用する際のパラメータ等の解析条件の最適化、より高品質なMRI画像を提供できる技術の開発を継続する。
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Causes of Carryover |
共用のMRI装置の故障により、ハードウェア部品の修理・取り換えに半年程度の時間を要したため。 新型コロナウィルス感染症の流行により、開催予定であった国際会議等への参加を見送ったため。 GPU制御用計算装置の購入、実験試料費、実験補助謝金及び国際誌等への成果発表費用に充てる予定である。
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