2020 Fiscal Year Research-status Report
超精細断層像で生体内部の微細構造を詳細に観察する次世代型MRI技術の開発
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18K13764
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 昌也 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (00807844)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRI / Non-harmonic Analysis / 超精度解析 / 高分解能 / 超精細技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
高速フーリエ変換(FFT)に比べ大幅な精度向上が見込まれるNon-Harmonic Analysis(NHA)を医用断層撮影装置であるMRIへ応用し、1.5テスラMRIで可視化が困難な700μm以下の体内深層の微細構造を観察できる超精細技術の開発を目的に研究を行った。本研究では、物理ファントムを1.5テスラMRIで計測し、MRI計測データをNHAで高精度解析することで、従来の分解能よりも微細な空間に存在する物体をNHAで可視化できるか基礎的な検討を行った。 令和2年度では、共焦点レーザー顕微鏡で撮影された画像とNHA解析により作成されたMRI画像について、物体位置や強度分布に関して統計分析し比較することで、NHA解析によるMRI画像の高品質化に関して評価を行った。微小構造を有する物理ファントムとして、海綿構造を有するウレタンフォームを水で湿らせて撮像を行った。ウレタンフォームを使用することで、水分中に微小な気泡を3次元的に配置し、長時間固定することができる。比較の際は、画像内の約1000×1000[μm]の視野を複数抽出し、水分中に存在する約100[μm]の微小な気泡の統計量を分析した。分析結果から、顕微鏡画像に存在する気泡とNHA解析によるMRI画像に存在する気泡の統計量は類似しており、NHA解析によるMRI画像において約100[μm]の微小な気泡が可視化されている可能性がある。また、従来のFFTによるMRI画像と比較して、サイドローブを大きく抑制することで、解析アーチファクトが軽減され現在、上記の成果に関する論文をIEEE Accessへ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行により、データ計測及び、画像解析に遅れが生じている。 既に撮像された計測データを用いて、NHAによるMRI画像の客観評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
計測可能になり次第、順次生体データなどの計測を行っていく予定である。 また、計測済みデータを利用して、NHAを使用する際のパラメータ等の解析条件を設計し、より高品質なMRI画像を提供できる技術の開発を継続する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、実験施設の使用に制限が発生し、計測に遅れが生じたため。 実験試料費、実験補助謝金及び国際誌等への成果発表費用に充てる予定である。
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