2018 Fiscal Year Research-status Report
舗装・防水層・コンクリート床版が三位一体となった防水システム構築のための研究
Project/Area Number |
18K13811
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小松 怜史 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 助教 (00732869)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンクリート / アスファルト舗装 / 防水層 / 熱応力 / せん断疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究内容] アスファルト舗装敷設時の熱で、コンクリート床版上面付近に微細ひび割れが発生するか否か実験的に検討した。具体的には、予備実験の結果を参考に、水セメント比、仕上げ面の養生条件、敷設する防水層の種類、コンクリートの含水率および空気量の異なる試験体を製作し、アスファルト敷設時にコンクリート床版上面に作用する温度履歴を試験体仕上げ面に与え、微細ひび割れ発生の有無を確認した。さらに、微細ひび割れが生じていると考えられる試験体と、微細ひび割れが生じていないと考えられる試験体で、アスファルト舗装・防水層・コンクリートの三位一体での力学的な一体性(せん断疲労特性)に違いが生じるか、実験で確認した。その結果、含水率が高い試験体において、微細ひび割れが入りやすいことが分かった。また、微細ひび割れが生じることで、力学的な一体性が大きく損なわれることが分かった。 [意義] 実現場(橋梁)でも、条件がそろえば、微細ひび割れがコンクリート床版上面付近に生じている可能性が示唆される結果となった。このような微細ひび割れは、防水層やアスファルト舗装の早期劣化につながる恐れがある。また、微細ひび割れが入らなかった条件もあることから、(設計段階・施工段階での)対策法も提案することができると考えている。 [重要性] これまで、アスファルト舗装、防水層、コンクリートは個別に仕様が決められてきた。本研究成果を一例として、組み合わせとして橋の上部工の性能(ここでは防水性能)を担保することの重要性が明らかとなったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の仮説通り、コンクリートに微細ひび割れが生じるケースが存在することが分かった。また、微細ひび割れが生じることでの影響(アスファルト舗装・防水層・コンクリート)を明らかにすることができた。さらに、実現場における対策案も示すことができた。
しかし、具体的に、「なぜ微細ひび割れが生じるのか」というメカニズム解明までには、昨年度は至っていないのが現状である。この辺りを詰めることが、本年度の目標となる。
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Strategy for Future Research Activity |
微細ひび割れが生じるメカニズムとしては以下の2つ(どちらか一方が主もしくはその両方の影響)が考えられる。 ・コンクリート内の温度勾配によって生じる熱応力の影響 ・コンクリート細孔内の水蒸気が暖められ、体積膨張することで爆裂が生じるという影響 後者については、細孔内の圧力上昇をうまく実験的に測定することは容易ではない。そこで、主として、前者の影響を数値力学モデルから推定することで、微細ひび割れの発生要因を分析することにする。
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Research Products
(2 results)