2022 Fiscal Year Research-status Report
創薬を指向した補助刺激受容体CD28ファミリーとシグナル伝達分子の構造基盤解明
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18K14395
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
稲葉 理美 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究員 (70785493)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線小角散乱 / 複合体構造 / ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年6月より、海外渡航に伴って一時中断していた本課題を再開した。2022年度はSAXSなどで得られた実験データを元に、構造情報との相関づけを試みた。具体的には、SAXSなどで得られた溶液情報は、結晶構造を支持する結果となっているが、一部の(分解能)領域においては一致しないことが分かっていた。その原因としては、構造解析で用いたリガンドと溶液物性解析で用いるリガンドの鎖長が異なっていることが考えられた。そのため、比較する分子モデルを既存の構造情報をもとに新たに構築して比較することにした。さらに、溶媒条件(pHやイオン強度)を変えることでもSAXSの特性が変わることもわかった。以上のことより、よりダイナミクスにフォーカスした解析が必要であることが明らかとなり、次年度に向けてどのような解析を進めるべきかなどの指針を立てることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は6月から課題を再開し、所属機関の変更などがあった。実験データに関してはすべて取得済みであり、現在は構造情報との相関評価の検討を進めている。2022年度は様々な解析方法を検討して、ある一定の指針を立てることができ、順調にその解析も進んでいる。そのため、研究の進捗としては概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の構造情報をもとに溶液構造を評価するために、ダイナミクスにフォーカスした解析を進める。具体的には、溶液構造解析に用いたタンパク質やリガンドの分子モデルを構築し、シミュレーションも利用してどのような構造状態を撮っているのかを明らかにする。それによって、ダイナミクスに関する情報も取得し、異なるタンパク質やリガンドによってどのような違いがあるのかを評価していく。
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Causes of Carryover |
所属機関変更に伴い、当初予定していた海外出張を次年度に延期することとなった。
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