2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation and application of the plant preference mechanism in herbivorous fish
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18K14508
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 雄樹 東京海洋大学, 学術研究院, 博士研究員 (50638004)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソウギョ / 草食性魚類 / 嗜好性 / 近赤外蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,草食性魚類における食嗜好性メカニズムについて検討を行いその機構について明らかにすることを目的とする. 今年度はソウギョの飼育環境の整備および研究代表者が開発した小型魚類への近赤外蛍光イメージング法が適応可能か試みた.ソウギョの草食性に関わる食嗜好性メカニズムを検討するにあたり,比較的コストがかからず,通年に渡り入手可能な試料について検討することを目的として,複数の野菜や水生植物などを検討したところ,レタス葉において比較的食いつきが良い傾向が認められたため,本年度はレタス葉を試料として用い検討を行った.これまでに研究代表者が開発し,ゼブラフィッシュ(分子生物学会発表2015年)やキンギョ(Conbio2017発表)へ適応可能であることを示してきた近赤外蛍光イメージング法が,より大型の魚類であるソウギョに対し適応可能かについて検討した.草食に対する嗜好性が発現する段階まで成長した体長10cm程度のソウギョ幼魚に対し,近赤外蛍光標識を行った飼料の摂食前後に麻酔下でイメージングを行ったところ,ソウギョ自体に多少の自家蛍光があるものの腹部において飼料に由来する蛍光強度の増加が認められ,この方法が植物に対し嗜好性を表す段階のソウギョへも適応可能であることが確認された. その後,コントロール試料として用いたレタス葉に対し,メタノール・クロロホルム処理により水溶性及び脂溶性成分を除去したレタス葉を比較試料として,それぞれを異なる検出波長プローブで蛍光標識し,同時にソウギョに対し与えたところ,選択的にコントロール試料のみを選択摂取する傾向が認められた.そのため,ソウギョは摂食にあたり,植物性試料に含まれる水溶性・脂溶性成分のいずれかを認識していることが考えられた.今後,どのような成分を認識しているのかについて各種分画法を用いて検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ソウギョの飼育環境整備に想定以上に時間を取られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,どのような成分を認識してしているのかについて各種分画法を用いて選択摂取に関与する成分について絞り込みを行い,受容に関わる分子について生化学・分子生物学的手法を用いて検討する予定である.
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Causes of Carryover |
ソウギョの飼育環境整備および実験条件検討に予想以上に時間がかかったため,初年度に行う予定であった実験の一部を次年度に繰り越して行う必要が生じたため.
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Remarks |
アウトリーチ活動の一環として,TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の特集コーナー(20:00-20:50ごろ)に出演し,近年の味覚研究動向について解説した.その内容の一部として本研究の知見に関連する嗜好性研究分野についても言及した.
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