2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of the sleep evaluation method using salivary hormone secretion in infants
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18K14806
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大平 雅子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40616190)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児 / 睡眠 / ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは特定のホルモンが成人の「睡眠の質」を反映する指標になることを発見し、この現象を起床時DHEA反応(DAR)と名付けた。これは、ヒトの睡眠時におけるホルモンの分泌を経時的に評価する申請者独自の方法論により見つかった新しい現象である。 このDARは成人だけでなく幼児(2~5歳)の睡眠評価指標にもなり得るだろうか? 言葉がつたない幼児にとって、現状では脳波計測が唯一無二の睡眠評価の手段である。もし本研究の仮説が実証されれば、DARは極めて有効な“幼児のための”睡眠研究の方法論となる。技術的にはDHEAは起床時のわずか数滴の唾液からでも定量できる。本研究の仮説が実証されれば、この方法論は客観的かつ自宅でも簡易に測定可能な睡眠評価指標となる。つまりは、事実上はじめて子どもの睡眠状態を毎日評価することが可能となる。これは、睡眠科学領域の発展に寄与するできる成果となり得る。 昨年度は、この問いを解明するための第一段階として、乳幼児数十名を対象に、そもそも成人以外でもDARは観察できるのかについての検討を行った。その中で、DARは乳児や幼児でも観察できることが明らかになったものの、乳児では必ずしも「睡眠の質」を反映する指標となっていない可能性も明らかになった。その一方で、幼児においては、一部の睡眠指標が起床時のDHEA分泌量と関連をしていることが明らかにもなった。したがって、幼児に限っては、DARが睡眠評価指標になり得る可能性を示唆することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼児を対象とした睡眠ポリグラフ検査(PSG)等を用いた研究の事例は非常に少なく、十分な実験プロトコルの作成も出来ていなかった。そのため、昨年度は本実験を実施するための予備調査や予備検討に時間を要したため、十分な進捗が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に作成をした実験プロトコルをもとにして、幼児において起床時のDHEAの分泌量を従来指標(PSG)と比較することで実験的に検証する。その上で、睡眠評価としての指標の有用性や限界を明らかにし、適用可能範囲や方法論上の制約を科学的に検証する。
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Causes of Carryover |
幼児を対象とした睡眠ポリグラフ検査等を用いた研究の事例は非常に少なく、十分な実験プロトコルの作成も出来ていなかった。そのため、昨年度は本実験を実施するための予備調査や予備検討に時間を要したため、予定よりも支出が少なかったため。
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