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2018 Fiscal Year Research-status Report

遺伝子治療を可能とするCRISPR/Cpf1による正確な欠失変異導入法の確立

Research Project

Project/Area Number 18K15054
Research InstitutionTokyo Metropolitan Institute of Medical Science

Principal Investigator

高橋 剛  公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 研究員 (70802817)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCRISPR-Cas12a / CRISPR-Cpf1 / Exon skipping / DMD / Amplicon sequence / ddPCR
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、CRISPR-Cas12a(CRISPR-Cpf1)を用いたゲノム編集により、遺伝子ノックイン不要の高精度、高正確性をもつ欠失変異導入法を確立することを目的とする。我々は、Cas12aが切断部位に5'突出末端を形成することに着目して、2箇所の標的配列の切断後に生じる突出末端を相補的とすることで、ダブルカット後の末端同士が結合することによる正確な欠失変異導入が可能であることを見出した。
本年度はまず、Cas12aでのダブルカットによる正確な欠失導入の応用として、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症の原因遺伝子であるdystrophin(DMD)におけるエクソン・スキップを目的とした欠失導入を行った。併せて、欠失後に生じる末端結合の正確/不正確の頻度を定量的に検出するため、デジタルPCRによる検出系を構築した。Hek293細胞でのCas12aによる欠失導入後、デジタルPCRでの解析を行ったところ、標的としたDMD遺伝子上のexon44-exon45を含む288-kbの欠失が検出された。欠失の導入率は約1-3%であり、その内の約30%が正確であり、残る70%が不正確であることが明らかとされた。続いて、Cas12aでのダブルカットによる欠失導入を最適化するため、いくつかの条件下での実験を行い、アンプリコンシーケンスによる詳細な解析を進めた。解析はまだ途中であるものの、Cas12aでのダブルカットの場合、2つのCas12aが欠失するフラグメントの内側に結合する配置の場合において、正確な欠失が生じる割合が高まる傾向があることを発見した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた通り、はじめにCas12aのダブルカットによる欠失導入をデジタルPCRによって解析した。その結果、Cas12aのダブルカットによって生じたDMD遺伝子上の欠失変異を、定量的に検出することができた。一方で、複数の実験条件を設定する解析については、デジタルPCRによる解析系を多数構築する必要があるため、より大規模かつ詳細な解析が可能なアンプリコンシーケンス解析を中心とした実験に切り替えた。現在、アンプリコンシーケンス解析によって得られた結果の詳細な分析を進めており、これによってCas12aのダブルカットの特徴付けが期待される。

Strategy for Future Research Activity

アンプリコンシーケンスによって得られた情報から、2つのCas12aの配向によって、正確な欠失変異の導入率が変化することが示唆された。さらに、Cas12aでの欠失導入の正確性に寄与する要因として、突出末端の配列が影響することが考えられた。そこで、今後は突出末端の配列をランダムとすることで、突出末端配列と正確性の関係を明らかとすることを検討している。同様に、Cas12aの標的配列の一部をランダムとした人工的な配列を使った解析の検討を進めており、この解析によってCas12aのDNA二本鎖切断後に生じるindel変異のパターンを広範に解析できると期待している。
最終的に、最も正確性の高い実験条件を同定し、疾患モデルiPS細胞でエクソン・スキップを実施することで実証を進め、遺伝子治療に応用可能な技術の開発を進めたい。

Causes of Carryover

今年度は、デジタルPCRならびにアンプリコンシーケンス解析での解析を進めるため、前倒し支払請求も利用して高額な試薬類の購入に充てた。次年度使用分の助成金については、引き続き、高額な試薬類を利用した実験が予定されているため、次年度分の助成金と合算して利用する予定である。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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