2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K15484
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
蓬莱 政 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90817826)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / うつ病 / DEX-CRH負荷試験 / ストレス反応生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では腸内細菌プロファイルがうつ病の発症に影響を与える機序を解明し、うつ病の回復や重症化に関連する腸内細菌プロファイルを同定することを目的と している。令和元年度は腸内細菌とストレスの関連性をより詳しく把握するために、精神疾患に関する基礎的な研究を行った。一つは大うつ病性障害を対象としたSirtuin1(SIRT1)遺伝子と自殺の関連を調べた研究である。本研究では、自殺を既遂者の血液を用いてDNAを抽出し、その中でもSIRT1における2つの1塩基多型(SNP)、rs12425800とrs4746720についての遺伝子解析を行った。その結果、両方のSNPともに、50歳以上で自殺を完遂した女性との間に有意な相関を認めた(rs12425800 p=0.025, OR 1.38 [95% CI=1.04-1.85], rs4746720 p=0.014, OR 1.43 [95% CI=1.08-1.91] )。追加として、死後脳組織を用いた解析を行ったところ、前頭前野でのSIRT1遺伝子の発現は、自殺者と非自殺者で差はなかったが、今回注目した、SNPが関与している可能性のあるDNAJC12遺伝子の発現は自殺者で有意に減少していた(p=0.003)。 上記研究を通して、大うつ病生障害による自殺を予測しうる遺伝子の存在について理解を深めることができた。簡便にストレス反応性を評価でき、さらには自殺の予防にも繋がる可能性のある本研究の重要性について再認識した。 2019年5月27日に医学研究倫理員会 にて承認を得られた。患者に対して本研究への参加を依頼しているが、同意が得られていない。引き続き入院患者を中心に、本研究への参加を依頼する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
承認は得られたものの、患者からの同意が得られず、サンプルが目標数に到達しない。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤投与時の副反応を観察しやすいように、入院患者を中心に同意を得るよう積極的に依頼する。同意が得難い場合は外来患者からも同意を得るよう説明する。
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Causes of Carryover |
2019年度は患者の組み入れが進まなかったため、必要最低限の物品の購入にとどまった。 今年度は多数の患者を組み入れる予定としているため、便の採取キットや薬剤費や解析に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)