2019 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いて管腔臓器の位置および形状を予測・追跡する技術の開発
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18K15535
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西岡 健太郎 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (80463743)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 機械学習 / セグメンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
管腔臓器のように体内で位置や形状が日々変化する臓器に対して放射線治療を行う場合、当初計画した照射野と日々の治療時の体内臓器の位置・形状などが一致しない恐れがある。本研究は管腔臓器に対して放射線治療を行う際の精度を向上するため、MRI画像を教師データとして人工知能の学習を行ったうえで臓器の位置や形状の変化を予測・追跡する技術を開発することを目的としている。 2019年度は、後方視的研究として過去に撮像された骨盤部MRI画像を100症例分収集し、膀胱のラベリングを行った。収集した画像数は1060枚で、すべて同一MRI装置で撮像された同一条件の画像であり、ラベリングは本研究計画者が行った。収集した画像のうち840枚(80症例分)の元画像とラベル画像を教師データとし、113枚(10症例分)を訓練用データ、107枚(10症例分)を評価用データとして機械学習を行った。学習にはU-netと呼ばれる二次元畳み込みニューラルネットワークを用いた。人工知能が作成したラベル画像と研究者が作成したラベル画像の一致性はダイス係数と呼ばれる一致性の指標で評価した。ダイス係数は0~100%で表され、0%が完全不一致、100%が完全一致を意味する。機会学習および評価の結果、人工知能はダイス係数94.4%の精度で膀胱のラベル描出をすることに成功した。スライスによって低いダイス係数を認めており、いずれも膀胱の辺縁のスライスであったことから、partial volume effectによる膀胱輪郭の不明瞭化が原因と考えた。この問題に対して三次元畳み込みニューラルネットワークの導入が精度向上に有用であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実画像データの収集および人工知能の構築に成功し、計画は概ね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点までの成果を関連学会で発表すると共に、三次元畳み込みニューラルネットワークの導入を検討する。
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Causes of Carryover |
予算内で必要物品を購入するにあたり少額の残余が発生した。翌年度分の助成金と合わせ、主に結果発表のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)