2019 Fiscal Year Annual Research Report
Transcriptome analysis of innate immunity-related genes in tonsils of children with PFAPA syndrome
Project/Area Number |
18K15695
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
原 真理子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, リサーチアソシエイト (30744552)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | PFAPA症候群 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、PFAPAの扁桃組織における自然免疫関連遺伝子の発現パターンを解析し、どのような自然免疫系分子経路が活性化されているかを明らかにすることを目的とした。 扁桃摘出を行ったPFAPA15例を対象とし、扁桃からRNAを抽出しマイクロアレイを行い、自然免疫関連遺伝子(TLRs,NLRs,CLRs,DNA sensors)に関しトランスクリプトーム解析を行った。 クラスター解析の結果、本疾患は2つのendotypeを持つことが示された。Endotype1は、TLRs(TLR2,4,6,8,9,10)とインフラマゾーム関連遺伝子(NLRP2,3,NLRC4)が高発現であった。さらに、CD14,68の発現が増加しTLR2,4,8,NLRC4の発現と正の相関があった。また、CD14,68の発現はMCP-1,MIFの発現と正の相関を認めた。よってEndotype1では、単球・マクロファージの扁桃へのリクルートが起きている可能性が示唆された。また、上流因子解析より、TLRsの活性化にはIFN-γ刺激や1,25-(OH)2ビタミンD減少が関連していることが予測された。一方でEndotype2では、TLR3とインフラマゾーム関連遺伝子(NLRP5,8,9,10,13)が高発現であった。これらの発現と扁桃構成細胞や特異的マーカーの発現に相関は認めなかった。Endotypeと臨床因子との関連について多変量解析を行った結果、Endotype2では、最高体温が高く、腹痛、頭痛の随伴が多いことが示された。 以上より、PFAPAの扁桃では、自然免疫関連遺伝子の発現に2つのendotypeがあり、さらにphenotypeとも関連していることが示された。また、IFN-γ刺激、1,25-(OH)2ビタミンD減少が、自然免疫関連遺伝子を誘導する免疫経路であることが示唆された。 上記成果は現在英文誌に投稿中である。
|