2018 Fiscal Year Research-status Report
「Treg抵抗性T細胞」を標的とした免疫学的寛解治療開発の基盤研究
Project/Area Number |
18K16159
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 伸治 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80381854)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Th1/17 / x-GVHD / Treg |
Outline of Annual Research Achievements |
前研究(基盤C 課題番号15K09555)と同じマウス、同じ抗体を用いるため、予定を変更し、H31年度から開始予定であった「新規Uncontrollable T細胞の候補の探索」を先に行なった。 本研究で、xenogenic-GVHDを発症するヒト化マウスによる手法を用いて解析を行う。ヒト化NOGマウス(NOGマウスに3x10^7細胞を移入)に、day7で,Th1/17など炎症性T細胞を活性化させる目的で、IL-2/IL-2 antibody(clone 5344) complex(IL-2cx))を投与した。その7日後に、Treg因子(CTLA4-Ig、IL-35)の投与を行う。まず、CTLA4-Ig(200μg/匹・日)を投与。x-GVHDの経過をみたが、コントロール処置群(h-IgG1-Fc投与)と同じように、x-GVHDが増悪した。そのため、この系を用いて、まずは、CTLA4-Ig投与群とコントロール群のマウス脾臓を採取し、-80度で凍結保存としている。しかし、x-GVHDにより死亡率が高く、十分な検体が採取できなかった。また、CTLA4-Ig投与期間も2-3日と短く、十分なCTLA4-Igの効果(差)が得られない可能性が高い。そのため、今後、IL-2cxの投与と同時にうつなど、CTLA4-Igを7日以上投与できるように調整している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基盤C研究(前研究(基盤C 課題番号15K09555)と同じマウスを用いるため、効率を上げる目的で、H31年度に予定していた「新規Uncontrollable T細胞の候補の探索」を先に行なった。IL-2cx投与により、CTLA4-Igによる免疫抑制はほぼ効果なく、x-GVHDが進行した点はよいが、予想より早く死亡する個体が多く、採取できる検体数が少なくなってしまった。また、CTLA4-Igをうてる期間も2-3日と短いため、CTLA4-Ig処置の効果が弱くなっている懸念がある。そのため、今後は、IL-2cxと同時にCTLA4-igをうつなどとし、CTLA4-Ig投与期間を7日以上確保することで、コントロールとの比較を明確にしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度は、採取したSplenocyteを多色フローサイトメトリー解析(当院では、BD社のFACS-CANTOⅡによるmulticolor解析(8色))を用いて、human CD45RO陽性CD4陽性、細胞内Ki67陽性(細胞増殖マーカー)のゲートで、表面マーカーを網羅的に解析する。このために242種類の表面マーカーを解析可能なBD社のキット(BD Lyoplate, human cell surface marker screening panel)を用いる。コントロール群と比較しTreg因子群でも発現が落ちていないものをスクリーニングし、その中で高発現のものから5-10種類くらいの表面抗原を選別、候補を同定する。 令和2年度より、候補の表面マーカーの組み合わせから、Unc-T cellの表面抗原の組み合わせを、既知のThサブセットにとらわれず、恣意性なく解析するために、私たちは、tSNE法による次元削減法(Journal of Machine Learning Research 9 (2008) 2579-2605, Flow Joソフトウェアと、統計ソフトRにより可能)を用いた解析を用いる。これにより、Unc-T cellsの候補の表面マーカーを同定するところまで本研究において明らかにする。 同年度より、CTLA4抵抗性T細胞、Th17.1細胞(Unc-T cells候補1)の抵抗の機序の探索も並行して開始する。
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Causes of Carryover |
前研究基盤Cと同じマウス、同じ抗体を使う研究を、予定を変えて先に行なったことで、予定していたマウス、抗体の費用が、前研究基盤Cの科研費で利用でき、実験の効率化と節約をはかったため、次年度使用額が生じた。 本年度より、NOGマウスの購入、網羅的解析のためのフローサイトメトリーの抗体、もともと今年予定していたRNAseqなどの受託解析などを予定しており、次年度使用額と本年度の交付分を合わせて研究を遂行していく予定である。
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Research Products
(5 results)