2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of metabolism in cancer associated fibroblasts
Project/Area Number |
18K16256
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西 正暁 徳島大学, 病院, 助教 (70464344)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 癌 / CAF / 糖代謝 / 腫瘍関連マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
Cancer associated fibroblasts (CAF) ・腫瘍関連マクロファージ(TAM)は腫瘍微小環境において、癌の浸潤・転移に関与することが報告されており、CAFをtherapeutic targetとした新規治療法の開発が近年進められているが臨床応用にいたっていない。現在、腫瘍微小環境の制御が治療成績向上に寄与すると期待されている。近年、CAFの糖代謝を刺激することで、腫瘍増殖を促進するとの報告がされている(Cancer Research 2017)。今回、CAFの糖代謝を制御することで腫瘍微小環境におけるPD-1/PD-L1、TGFβ、MDSCを介した腫瘍免疫制御するとの着想にいたり、CAFをtherapeutic targetとした新規治療法の開発に密接に関与する可能性があると考え、本研究計画を実施した、まず初年度は癌細胞とCAFの共培養下における代謝制御と腫瘍免疫の研究をIn Vitroで実施した。 癌細胞とCAFを共培養し、その代謝を制御すること生物学的メカニズムの研究を行い、腫瘍免疫への効果を明らかにした。膵癌細胞株(MIA PaCa-2, Panc-1)とヒト臨床癌検体から抽出したPSC(CAF)を用いて、癌細胞での浸潤能、遊走能、EMT関連因子、C-X-C motif chemokine 10(CXCL10)発現、 CAFでのIL-6発現を評価した。1)CAFにより膵癌細胞の浸潤能・遊走能の増強、E-cadherin発現の低下、N-cadherin・vimentin発現の上昇が認められ悪性度が増強した。2)膵癌細胞の悪性度増強にCAFでのIL-6発現上昇が関与した。一方、normal fibroblastを用いて行った実験において、肝がん・大腸癌細胞株とfibroblastの共培養においてαSMA/FAP/IL6の上昇は認めたものの、lactateの上昇は認めなかった。再度実験条件を再考し実施予定である。一方、肝胆膵癌がTAMを誘導し、TAM由来のlactate/VEGFにより癌悪性度が増強することを解明した。また癌細胞悪性度増強・TAM誘導に転写因子Nrf2(NF-E2-related factor 2)が必須であることも証明した。
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