2019 Fiscal Year Research-status Report
シグナル伝達イメージング技術による、神経細胞死抑制剤投与法の開発
Project/Area Number |
18K16578
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐沢 康暉 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70812957)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MAPキナーゼ / 酸化ストレス / 細胞死 / FRETプローブ / システム生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血による神経細胞死では、酸化ストレスが重要な役割を果たしている。ラットの虚血モデルにおいて、虚血部位の周囲でMAPキナーゼがリン酸化がおこる。酸化ストレスによる神経細胞死において、シグナル伝達物質、MAPキナーゼの活性化が関与するといわれ、治療のターゲットの一つとして期待されている。 本研究では、(1)酸化ストレスによる細胞死モデルであるマウスの海馬由来のHT22細胞を用いて、MAPキナーゼの活性化を反映するFRET(fluorescence resonance energy transfer)プローブを組み込み、酸化ストレスによるMAPキナーゼの活性化を、可視化、定量化する実験系を確立した。(2)酸化ストレスをうけてから神経細胞死に至るまでの過程におけるMAPキナーゼ活性を1細胞レベルでリアルタイムに観察しその制御メカニズムを明らかにした。MAPキナーゼの活性化パターンと細胞の生存時間の関連性を明らかにし、MAPキナーゼの活性化による細胞の生存から死へ至る臨界点、すなわち細胞死から回避しうる限界点を明らかにする。 本年度は,グルタミン酸を5つの濃度(0,0.3,1,3,10mM)で投与する実験を行った。MAP キナーゼの活性化の定量データを習得した上で、各強度の酸化ストレスにおける生存曲線を得た。 慢性期脳損傷に対する幹細胞移植を行った国際共同治験に参加し、治療成績の中間報告を行った。中枢神経への幹細胞移植におけるリハビリテーションの役割について国際学会、国内学会でシンポジウム発表、ランチョンセミナーを行った。 ヒトに低糖質食事法およびレジスタンス運動の併用介入により体組成および代謝物で有意に変化するものを解明した。ヒトに糖負荷を行い、採血でえられたホルモンおよび代謝物の変動を数理モデルを用いて解析、予想し、合理的に制御する方法を示す論文を作成し国際誌に出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定していた酸化ストレスの実験および解析をすすめることができた。 当初の計画は順調に進んでおり、期待通りの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、酸化ストレスの実験および解析から得られた結果を元に論文作成を行っていく。再生治療、幹細胞移植の臨床応用にむけた準備、血中代謝物・ホルモン濃度変化に関する研究も進めていく。 新型コロナウィルス感染蔓延のため、大学での活動が制限されるが、実験を伴わない解析および情報収集、論文作成を中心に研究活動を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延防止のため、大学の活動制限に伴い、物品費による機械の購入を翌年度以降に延期することにした。人件費も人材派遣会社を利用することを想定していたが、募集により直接雇用することができ、人件費を大幅に圧縮することができた。
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Research Products
(7 results)