2021 Fiscal Year Research-status Report
シグナル伝達イメージング技術による、神経細胞死抑制剤投与法の開発
Project/Area Number |
18K16578
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐沢 康暉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (70812957)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | システム生物学 / 酸化ストレス / MAP kinase / 再生医療 / 糖代謝、脂質代謝 / 時系列データ / 数理モデル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血による神経細胞死では、酸化ストレスが重要な役割を果たしている。ラットの虚血モデルにおいて、虚血部位の周囲でMAPキナーゼがリン酸化がおこる。酸化ストレスによる神経細胞死において、シグナル伝達物質、MAPキナーゼの活性化が関与するといわれ、治療のターゲットの一つとして期待されている。 本研究では、酸化ストレスによる細胞死モデルであるマウスの海馬由来のHT22細胞を用いて、MAPキナーゼの活性化を反映するFRET(fluorescence resonance energy transfer)プローブを組み込み、酸化ストレスによるMAPキナーゼの活性化を、可視化、定量化する実験系を確立した。 本年度は,ベルギーのSarah-Maria Fendt研究室と共同研究の結果、「脂肪の多い食事をしたマウスは糖を飲んだ後、乳酸が多くでき、人でも、太めの人の方が糖を飲んだ後、乳酸が多く出る傾向がある」ことをしめした。さらに培養細胞、マウスのデータとともに、高脂肪食と肝細胞癌の発生機序の関連を示した論文を出版した( Broadfieldら、Cancer research 2021)。 健康なヒトが糖を摂取した後に繰り返し採血をおこなうことで、詳細な血中代謝物およびホルモンの時系列データを取得した。数理モデル解析を行い、個人間および分子間における、代謝物とホルモンの時間パターンに、1)大きさや早さなどの時間成分、2)個人間の時間パターンの類似性、3)個人間の大小関係の時間変化、4)分子間の時間パターンの類似性、の4つの指標があることを示した論文を出版した(npj systems biology and applications 2021, These authors contributed equally: Suguru Fujita, Yasuaki Karasawa.)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国際誌に2つ論文が出版された。投稿準備中の論文もあり、当初の計画以上に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、酸化ストレスの実験および解析から得られた結果を元に論文作成を行っていく。 昨年度、バイオベンチャー企業が主導した外傷性脳損傷に対する再生医療(細胞療法)の国際治験の中間評価の論文(Neurology)が出版され、本年度は、国内症例の追加解析、全症例の最終評価の結果の論文の作成を行なっている。再生治療、幹細胞移植の臨床応用にむけた準備、研究も進めていく。 包括的な代謝物とホルモンの時間パターンの解析手法に関する論文も作成する予定。新型コロナウィルス蔓延による、大学での活動が制限が解除され、学会発表も進めていく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延防止のため、大学の活動制限、研究室内の立入制限,海外を含む遠方への学会発表ができないことに伴い、物品費による機械の購入、人件費、旅費を翌年度以降に延期することにした。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Fat Induces Glucose Metabolism in Nontransformed Liver Cells and Promotes Liver Tumorigenesis2021
Author(s)
Lindsay A. Broadfield, Roberta Planque, Kim, Yasuaki Karasawa, Francesco Napolitano, Suguru Fujita, Masashi Fujii, Miki Eto, Jia Zeng, James Dooley, Rebeca Alba Rubio, Jos van Pelt, Adrian Liston, Chantal Mathieu, Shinya Kuroda, Katrien De Bock, Sarah-Maria Fendt 他
-
Journal Title
Cancer Research
Volume: 81
Pages: 1988~2001
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-