2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of neuronal death inhibitor administration method by signal transduction imaging technology
Project/Area Number |
18K16578
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐沢 康暉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (70812957)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | システム生物学 / 酸化ストレス / MAP kinase / 数理モデル解析 / 時系列データ / 再生医療 / 骨髄由来間葉系間質細胞 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血による神経細胞死では、酸化ストレスが重要な役割を果たしている。ラットの脳梗塞モデルにおいて、虚血部位の周囲でMAPキナーゼが活性化(リン酸化)がおこる。 酸化ストレスによる神経細胞死において、シグナル伝達物質であるMAPキナーゼの活性化が関与するといわれ、治療のターゲットの一つとして期待されている。 本研究では、酸化ストレスによる細胞死モデルであるマウスの海馬由来のHT22細胞に、JNKのリン酸化を反映するFRET(fluorescence resonance energy transfer)プローブを組み込み、酸化ストレスによるMAPキナーゼの活性化を、可視化、定量化する実験系を確立した。HT22細胞に酸化ストレスを与え、蛍光顕微鏡で観察すると、JNKが活性化し、その2ー4時間後に細胞死に観察され、その間のJNKの活性化について1細胞ごとに1分間隔で時系列データを取得し数理学モデルを作成し解析を行い、細胞死の前にearly warning signals様の変化が観察された。数理モデルの解析から細胞死の運命決定に、酸化ストレスとJNKの活性化が関与し、その低減が細胞死につながることを示唆するデータを得た。 本年度は,中央大学理工学部物理学科との共同研究の結果、ヒトの代謝物とホルモンの時系列データをテンソル分解を用いて解析することで、短時間で、偏りのなく生物学的特徴を抽出することができることを示した論文を出版した(PLOS ONE 18(2) e0281594)。慢性期頭部外傷患者に対する他家骨髄由来間葉系間質細胞の脳内投与の治験成績の運動機能の結果及びNeuro-QOLへの効果の事後解析の結果をリハビリテーション学会で発表した。 今後はFRETの基礎研究、数理モデル解析という研究手法、細胞療法の3つを組み合わせ、新しい脳虚血の治療法開発を展開していきたい。
|
Research Products
(5 results)