2020 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞のRNA結合タンパクMusashi2を標的とする骨粗鬆症治療の解明
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18K16626
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 稔史 九州大学, 大学病院, 助教 (20644800)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / Musashi / Notchシグナル / 骨代謝 / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨は骨吸収を行う破骨細胞と骨形成を行う骨芽細胞の機能のバランスにより、強度を保っている。骨粗鬆症では、骨芽細胞の骨形成能が低下し、破骨細胞の活動性が亢進するために、骨量が低下して、軽微な外傷で骨折を生じるために、患者の日常生活動作は低下する。 単球同士が癒合して分化する破骨細胞は、分化においてRNA結合タンパクMusashi(Msi)発現が増加し、NotchシグナルのNotch2とHes1を介して細胞生存を制御されている。Msiの破骨細胞における分化と骨吸収機能を明らかにするためにin vitroとin vivo解析を行う。 Msiは1と2のアイソフォームがあり、まず単球系細胞よりMsiを選択的にノックアウト(cKO)するマウスをLysM-CreとMsiのFloxマウスを交配させMsi1と2ノックアウトするマウスを作成し、コントロール(Con)とcKOマウスそれぞれ雄雌を6~9頭の2か月齢で大腿骨と腰椎の骨量をマイクロCTで解析している。Msiノックアウトは骨量を増加させる可能性があり、大腿骨と腰椎の骨皮質・海綿骨を解析している。 閉経後に減少するエストロゲンは破骨細胞数を低下させることが分かっており、Msiは単球におけるエストロゲン受容体の発現を変化させている可能性もある。しかし破骨細胞分化におけるエストロゲン受容体発現量に差はなく、エストロゲン刺激で破骨細胞分化に影響は及ぼさなかった。in vitroでの役割を更に詳細に調べるため、破骨細胞分化におけるNotchシグナルの変化を調べている。 現在引き続き解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2か月齢のマウスの解析を進めている。閉経後骨粗鬆症モデルマウス作成のために雌マウスを増やすために交配を行っている。in vitroによる破骨細胞分化と機能の解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroのMsiの解析を更に進める予定で、Msiノックアウト単球にレトロウィルスでMsiを強制発現させてNotchシグナルの変化を調べる。エストロゲンや炎症性サイトカインとの関連性を調べる予定である。また閉経後骨粗鬆症マウスモデルを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの交配・解析、in vitroでの更なる解析のために必要であり、次年度使用額を生じた。
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