2020 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌における循環腫瘍DNAを用いたPrecision Medicineの確立
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18K16894
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古後 龍之介 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90529885)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ctDNA / liquid biopsy / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は既存のIon Ampliseq Cancer Hotspot Panel ver.2を用いて、3症例の変異解析を行い、症例特異的な変異遺伝子を同定した。しかしながら、本Panelでは腫瘍特異的な変異遺伝子の検出率が1-2個と低く、2年目よりSCCに特異的な変異を同定できるcustm SCC Panel(札幌医科大学 フロンティア医学研究所 ゲノム医科学分野との共同研究)に変更した。custom SCC Panelによる変異解析を施行し、検出可能な変異個数は1-8個と大きく増加した。合計24症例についてSCC panel解析が終了しており、各症例における症例特異的なctDNA候補遺伝子を同定した。この候補遺伝子を血中で検出するための、digital PCR用primer-probeを作成し、症例ごとにdigital PCRを行った(最終年度よりTP53の変異に対するprimer-probeについては予算削減のため、岩手医科大学 医歯薬研究所 医療開発分野 西塚先生との共同研究により同教室が保有しているprimer-probeに関しては同教室での解析をお願いした)。ctDNAの推移と臨床経過を比較し、治療効果の予測や再発の早期診断に有用かどうかを検討した。初回治療後ctDNAが陽性となった症例は6例認めたが、全例再発をきたしていた。また、ctDNAが陰性を維持している症例は全例再発を認めなかった。しかしながら、p16陽性のHPV関連中咽頭癌に関しては変異数が少なく、SCC panel解析では4例中1例しか変異遺伝子を同定できなかった。HPV陽性中咽頭癌においては既出のE6/E7のようなHPV由来DNAによるctDNAモニタリングが有用と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の臨床情報、腫瘍組織、PBMC、cfDNAの収集は終了していたため、最終年度はSCC panelによる変異解析、そこから症例特異的遺伝子変異を同定し、血漿中のdigital PCRによるctDNA検出を行った。コロナ禍であり、海外からの試薬の到着が遅くなるなどあったが、ほぼデータ解析は終了しており、現在、figure作成、論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在残り4症例のctDNAのdigital PCR解析中であり、2021年4月中に解析終了し、並行して、論文投稿準備を進めている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であり、海外からの試薬到着がかなり遅れていること、論文投稿費用として準備していた予算の未使用が生じたため、試薬が届き次第最終実験を行い、論文投稿を行う予定である。
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Research Products
(2 results)