2018 Fiscal Year Research-status Report
メラトニンレセプター制御による緑内障性視神経障害に対する神経保護に関する検討
Project/Area Number |
18K16970
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田片 将士 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60617984)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 緑内障 / メラトニンレセプター / 網膜神経節細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sprague-Dawley ラットに40nM N-methyl-D-aspartate(NMDA)を1μM硝子体へ投与し、正常眼圧緑内障モデルを作製した。正常眼圧緑内障モデルラットにMT1/MT2アゴニストであるAgomelatine (20mg/kg、40mg/kg、80mg/kg)、MT1/MT2アンタゴニストであるLuzindole(2mg/kg、4mg/kg、8mg/kg)、コントロールPBSを各群に分けて腹腔内投与し、投与1日後、3日後、7日後で網膜を摘出し網膜ホールマウント切片を作成した。正常ラットと正常眼圧緑内障モデルラットでメラトニンレセプターの発現数についてMT1 receptor抗体 ,MT2 receptor抗体にて免疫染色を行った。正常群と正常眼圧緑内障モデルで発現数の差はみられなかった。また、網膜神経節細胞のマーカーであるBrn-3a抗体を用いて免疫染色を行い、各群の陽性細胞数をカウント、また、TUNEL染色を行い、アポトーシス細胞数をカウントした。Agomelatine(20mg/kg、40mg/kg、80mg/kg)、Luzindole(2mg/kg、4mg/kg、8mg/kg)、コントロールPBS各群でBrn-3a陽性細胞あるいはTUNEL染色によるアポトーシス細胞数に有意な差を検出することが出来なかった。また、各群で網膜を採取し、細胞死に関連するCaspase3/7,Caspase8,Caspase9,Bcl-2,Baxなどの分子変動を検討した。Caspase3/7,Caspase8,Caspase9,Baxは上昇、Bcl-2は減少していたが、コントロール群とAgomelatine、Luzindole投与群との差を検出することは出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では生存網膜神経節細胞数の検討に上丘への蛍光色素フルオロゴールドを注入することによる逆行性染色で行う予定であったが、手技の確立が困難であり、結果的に大幅に時間をとられることとなった。当初の計画を変更し、生存網膜神経節細胞数の確認に網膜神経節細胞のマーカーであるBrn-3a抗体を用いて免疫染色を行い検討する手法へと変更した。また、既報のプロトコールを参考として網膜神経節細胞の網膜よりの単離、培養を行っているが、現在難航しているため上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
NMDA投与による正常眼圧緑内障モデルに対するメラトニンレセプターへのagonist、antagonist投与による生存網膜神経節細胞数、アポトーシス数に有意な差がみられない状況であるため、投与薬剤濃度の変更や投与部位の変更(腹腔内投与より直接的に効果がみられる可能性がある硝子体内投与への変更など)を検討する。また、In vitro実験について網膜神経節細胞の単離、培養について手技の変更などを検討する。困難であれば、上市されている網膜神経節細胞を利用し研究を遂行することも検討する。
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Causes of Carryover |
実験計画が遅延していることから当初使用予定であった器具、実験動物に差異が生じたため。今年度遅延している実験を次年度に行う予定であるため、繰越金額については消耗品、実験動物購入費、実験結果の公表のための学会費用、論文投稿費用に次年度に使用する予定である。
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