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2020 Fiscal Year Research-status Report

未固定遺体の皮弁穿通枝にMicrofil造影剤を注入し微細な血管網を明らかにする

Research Project

Project/Area Number 18K16989
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

安倍 吉郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40467808)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords血管解剖 / 皮膚穿通枝 / 皮弁 / 血行動態 / linking vessel / angiosome / perforasome
Outline of Annual Research Achievements

本研究の主目的である身体各所の皮膚に至る血行動態を解析するために、昨年度の予備実験をもとに今年度の研究を行った。しかし、今年度はCOVID-19感染拡大の影響をうけて使用できる状態の良い未固定遺体数が限られていたことや、研究者の密状況を避けたため、実施できたのは前外側大腿皮弁の1例のみとなった。
前年度に引き続き、はじめに大腿回旋動脈下行枝を同定して筋肉内に分布する微細な血管を丁寧に結紮処理した後、微量注入器を用いて近位血管よりMicrofilを注入した。前年度の結果と同様に、筋膜レベルまでは穿通枝血管を通じてMicrofilの色素到達を確認できた。色素が確認できた穿通枝は合計4本存在し、それぞれについて筋膜に到達した穿通枝部分から皮膚側に向かって脂肪層内を剥離した。脂肪層内でこれらの穿通枝を起源とした微細な血管の走行および血管同士の吻合(perforazome)を確認するため、微小器具を使用して脂肪層内を丁寧に剥離した。大腿中央付近で筋膜レベルの穿通枝の血管径が1mm近いものが1本あり、その1本では脂肪層に入った直後から2cm程度はMicrofilの色素を視認できたため、脂肪層内の血管走行を確認できた。しかし、隣接する穿通枝に向かう分枝を探すまでは至らず、途中でMicrofilの色素が周囲に滲むように漏出したため確認できなくなった。その他の3本はいずれも1mm未満であり、これらは脂肪層内でMicrofilの色素を視認すること自体が困難であり、結果として明確なperforazomeを確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

今年度はCOVID-19感染拡大の影響をうけて、当施設に搬入される未固定遺体数が減少した。その結果、血管解剖に使用できる保存状態の良い未固定遺体が1体しかなく、研究の実施そのものが困難な状況であった。また、実施時に研究者の密な状況を避けたため、解剖の際に介助してくれる研究者がおらず、微細な血管の丁寧な剥離がやや困難であった。これらの理由で研究が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

本研究は使用する遺体の状態によって成果が大きく変わることが分かっており、COVID-19の感染状況が改善しない限りは使用できる未固定遺体数の増加が見込めず、根本的な解決は困難であることが予想される。しかし、この限られた状況下でも、色素を明瞭に視認する工夫を行うことでperforazomeを確認できる可能性はあると考えている。具体的には、脂肪層内を剥離していく際に、現在使用しているサージカルルーペをより高倍率のものに変更することや、手術用顕微鏡を使用することである。顕微鏡を設置する際には施設の許可を得なければならず、今後の検討課題である。

Causes of Carryover

今年度は予定した研究が実施できなかったため、支出が減少したことに加え、本研究を1年延長したため次年度使用額が生じた。
次年度予定通り遂行できる状況であれば、微小器具や高倍率サージカルルーペを購入して実施する予定である。

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Published: 2021-12-27  

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