2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cost effective analysis of individualize surgery for cutaneous cancer
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18K17319
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 雄一郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (30624473)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳房外Paget病 / 皮膚がん / センチネルリンパ節生検 / 費用効用分析 / 予後解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 センチネルリンパ節生検(SLNB)とは、がんが最初に転移する可能性が高いリンパ節をがんの切除前に同定してがんの有無を調べ、手術効果の最大化と合併症の 軽減を両立する手術の個別化手法である。しかし、SLNBが皮膚がんの予後を改善するかは未だ結論が出ておらず、その費用対効果も不明である。本課題では、当院での診療データを用いてデータベースを構築して、皮膚がんにおけるSLNBの費用対効果について検証した。 【方法】 データベースより初期がんで根治切除を行われた症例を抽出して、SLNBを施行された症例(SLNB群)と、臨床的に転移の有無を確認する経過観察(リンパ節経過観察群)の2群を設定した。両群の臨床経過をシナリオ検討して意思決定樹を構築した。費用は、各シナリオにおける代表症例の入院・外来の診療報酬明細より算出した。費用対効果の評価指標には、質調整生存年 (Quality-Adjusted Life Year; QALY)の1 QALYを増やすのにかかる追加の費用(Incremental Cost-Effectiveness Ratio; ICER, 増分費用効果比)を計算して治療の費用対効果を評価した。ICERの閾値は500万円とした。 【結果】 137例中114例が術前検査でリンパ節転移がない状態で根治手術を受けた。男性77人 (67.5%)、女性 37人 (32.5%)、平均年齢 70.5 +/- 9.5歳であった。QALYsを効果指標とした場合の平均費用対効果比は、SLNB群では261万円/9.50QALYs(27.4万円/QALY), リンパ節経過観察群では179万円/9.22QALYs(19.4万円/QALY)であり、SLNB群の有意性が示された。ICERは295万円/QALYであり受容できる費用対効果を示した。今後、感度分析を行い残りのがん腫についても解析し投稿する。
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