2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of suicide prevention education programs for junior residents
Project/Area Number |
18K17386
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
井上 佳祐 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (50769619)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 教育 / 研修医 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の自殺率は、諸外国に比べて高い。自殺は、主要な死因の一つであり、メンタルへルス問題を基盤にした「防ぎ得る死」である。自殺予防のためには、精神科疾患に罹患した者を見つけ・適切な治療を行うことが重要である。しかし、精神疾患に罹患した者は、精神科以外の診療科を受診し、精神科を受診しないことが多く、精神科医以外の医師であっても、精神科疾患についての知識を有していること、さらに、自殺リスクの評価ができることが重要である。精神科以外の医師を対象とした、自殺予防に関する研修会は、全国各地で行われてきたが、その効果測定は不十分なものが多い。さらに、臨床研修医に限ると、自殺予防について体系だって学ぶ機会はほとんどなく、またどのような教育内容が効果的かすらわかっていない。 本研究では、臨床研修医が自殺予防について必要な知識が習得でき、自殺リスクを評価できるようになるための、教育プログラムを開発し、その効果測定を行うことを目的とした。 2018年度は、国内外の自殺予防の教材・資料を元に、講義資料を作成した。 2019年11月より、初期研修医に対しての講義を行い、その前後で、評価尺度を用いた、自殺の危険性が高い者に対する態度や対応技術の測定を開始した。2020年1月の第2回目のクルズスを最後に、新型コロナウイルスの影響でクルズスが終了となった。 2020年度および2021年度に研究結果の解析および結果の公表の準備を進めた。クルズスに参加した16名のうち、15名から研究参加の同意が得られた。自殺に関する態度を測定するASPについてはクルズス前後で有意に改善を認めたが、対応技術を測定するSIRIについては「肯定」「変更」の両因子ともにクルズス前後で有意な差を認めなかった。新型コロナウイルスの影響で対象者の人数が大変少なくなってしまったため、今後は、オンライン講義などを行い、改めて効果測定を行いたい。
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Research Products
(2 results)