2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of a model of breath alcohol pharmacokinetics during the absorption phase after drinking
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18K17416
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
姫宮 彩子 (白鳥彩子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90593301)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 呼気中アルコール濃度 / 吸収相 / ALDH2遺伝子型 / 飲酒実験 / 洗口実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、真のアルコール呼気動態モデルを検討し、飲酒が関わる法的事案への助言や鑑定に応用することで、健全な社会の維持・構築に貢献することである。 本研究は本学倫理審査委員会の承認後に実施した。飲酒経験のある健康成人を対象とし、アルコール水は市販のウォッカをベースに0.1g/kg体重、0.3g/kg体重、0.5g/kg体重に調整し、180mLを5分間で飲酒あるいは洗口(口腔暴露)にて消費し、その後に経時的に呼気ガスを採取した。呼気ガス中のアルコール(エチルアルコール:EtOH)濃度を測定した。また、対象者について、アルコール代謝に強く影響することが知られるALDH2遺伝子型の判定を、口腔内擦過物を基に実施した。ALDH2遺伝子型別およびアルコール水の濃度別に呼気中EtOH濃度データを解析したところ、飲酒実験より算出された対象者の呼気中EtOH動態では、口腔内等の残留EtOHを反映していると考えられるものと、吸収過程に伴って上昇した循環中EtOHが呼気中へ排泄されたと考えられるものが混在して現れており、各成分の占める割合が、呼気採取開始から10~20分程度で変化する様子が認められた。すなわち、最初は前者の割合が多いが、時間経過にしたがい後者の割合が増加するため、動態曲線は指数関数的に減少する過程中に、増加に転じる挙動が認められた。一方、洗口(口腔暴露)実験より算出された対象者の呼気中EtOH動態では、呼気採取開始から指数関数的に減少し、10~20分程度で十分な低下が認められた。 現在、飲酒実験のデータ集積を終え、洗口(口腔暴露)実験のデータは集積途上であるが、それぞれの実験から得られた呼気中EtOH濃度値の差をとった曲線は、血中EtOH濃度における吸収相を考慮した動態モデルに対応すると考えられる。引き続き、データの集積を継続し、完了次第、動態モデルの検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)