2018 Fiscal Year Research-status Report
EBN実践に向けた教育・学習モデルの開発:理論-実践ギャップの概念構造に着目して
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18K17453
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
武冨 貴久子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80543412)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | EBN / 理論-実践ギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
看護基礎教育における臨地実習は、学生が理論と実践を統合し実践能力を育む貴重な学習機会である。そこで理論-実践ギャップを経験する学生に対し、既習の知識と医療現場の技術とを統合して理解できるための橋渡しの役割が必要である。しかし、熟達レベルの進んだ看護師は自身の習得過程を暗黙知として蓄積しており、その知を根拠とした理論と実践の統合にいたるプロセスの解明や、根拠に基づく教育方法は確立されていない。本研究課題では、理論-実践ギャップの構造を明らかにし、EBN実践に向けた教育・学習モデルの開発することにある。 2018年度は、以下の活動を行い、成果を得た。(1)これまでに検討した臨地実習における学習環境で理論-実践ギャップの橋渡しに関連のある学習環境や、教員の役割や課題について整理した結果を国際シンポジウムで発表し研究者間での意見交換を行った。臨地実習では現場の指導者ではなく、大学教員に臨床現場で学生が理論と実践で感じた隔たりを埋める役割があることが認識されており、その教員の能力開発が課題であることが議論となっていた。(2)理論と実践を統合し実践能力を育む学習機会で経験される看護基礎教育の臨地実習理論-実践ギャップの概念を明らかにするための文献検討を行った。これらの検討から、理論-実践ギャップの概念は多様でありその確立は今後発展が求められることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究をベースとして、理論-実践ギャップに影響する背景や課題について、整理ができた。また類型化に向けた文献レビューにより、看護学生が経験した理論-実践ギャップを説明する概念を分析したことで、今後、看護学生が臨地実習で経験した理論-実践ギャップの具体的経験をデータとした質的研究につなげる準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度の研究成果について教育系学会で発表を行う予定である。また、看護学生が臨地実習で経験した理論-実践ギャップの具体的経験を質的研究手法よりデータとして収集し、概念の抽出と類型化を行う予定である。さらに、質的研究により得られた概念について看護師、看護師養成課程の教員や臨床指導者、看護学生からの経験や意見を求めその妥当性について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度に所属大学の異動があったこと、データ収集を年度を超えて実施することになったことの理由から、2018年度に計上した研究補助報酬を2019年度で使用する予定である。
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