2018 Fiscal Year Research-status Report
混合研究法を用いた精神症状の観察技術の可視化と技術の教育効果の評価
Project/Area Number |
18K17486
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
千葉 進一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (30515622)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 視線解析 / 精神看護 / 観察技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、混合研究法を用い、精神症状の観察場面で、精神看護の熟練者と経験が浅い者の視線運動の相違と思考過程の明確化を行うことである。本研究の意義は、看護師の精神症状の観察技術をインタビューだけでなく、視線解析機器を用いて量的にも明確にすることである。 研究開始以前、視線解析機器は高額な為にレンタルを想定していたが、研究費用内で購入可能な機器が見つかり、今後の研究の発展のために前倒し請求を行い機器を購入した。また、研究対象者を訪問看護師としていたが、訪問看護ステーションの施設責任者との会議の結果、より明確に観察技術を捉えるために精神科病院に勤務する看護師に対象者を変更した。現在までに、研究協力施設への研究説明、施設の決定、施設責任者の研究への同意取得を行った。また、看護師が観察する精神障害者の動画作成のため、精神症状や向精神薬の副作用等が観察できる精神障害者を施設責任者と決定し、精神障害者に研究説明を行い、同意を得て撮影を行った。撮影した動画は、プライバシー保護のため精神障害者が特定されないように動画の処理を行った。処理を行った動画を、精神障害者と施設責任者に確認してもらい、研究で使用する許可を得た。 今後は、動画を精神科病院に勤務する熟練看護師と新人看護師に視線解析機器を通し観察してもらい、観察直後、視線解析ソフトで視線運動を解析し、注視領域、注視の合計時間、視線移動の経過等の解析結果を看護師にみせ、なぜその箇所を観察したのか、その箇所の観察で何を考えたのか等についてインタビューを実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初、視線解析機器は高額な為にレンタルを検討していたが、研究費内で購入可能な機器があり、今後の研究の発展のために前倒し請求を行い機器を購入したこと、また、研究対象者を訪問看護師としていたが、より明確に観察技術を捉えるために精神科病院に勤務する看護師に変更したために、精神科病院の施設管理者への研究説明、同意等を追加で実施したために、研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、作成した動画に映る精神障害者を、精神科病院に勤務する熟練看護師と新人看護師に視線解析機器を通し観察してもらう。観察直後、視線解析ソフトで視線運動を量的に捉え、注視領域等の解析結果を看護師にみせた上で、なぜその箇所を観察したのか、観察で何を考えたか等、をインタビューする。視線運動の量的データは、熟練看護師と新人看護師でt検定を行い、インタビューによる質的データは内容分析を行い、精神科看護師の精神症状の観察技術を明確にする。新人看護師のリクルートが困難な場合は、本学の看護学生に変更することで対応する予定である。
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Causes of Carryover |
視線解析機器購入の為の前倒し請求や、研究対象者変更に伴う精神科病院の施設管理者への研究説明、同意取得の実施のため、研究がやや遅れている。そのため、研究対象者への謝礼と学会等での中間報告発表のために次年度使用額が生じた。
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