2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of Menstrual Cycle on Flexibility and motor Performance
Project/Area Number |
18K17861
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
宮崎 学 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (00782921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 月経周期 / 柔軟性 / 関節可動域 / スティフネス / 受動的トルク / 筋力 / 筋電図 / Hop test |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は健常若年者の月経周期の柔軟性及び運動パフォーマンスの経時的変化を捉えることである。 2021年度は、1)「月経周期が柔軟性に与える影響の検証」について英文誌への投稿を完了し、2)「月経周期が筋力・運動パフォーマンスに与える影響の検証」について実験データの解析を実施し、英文誌への投稿を完了した。 1)健常な若年女性の月経周期と柔軟性の関連性を検討した結果、関節可動域(ROM)は卵胞期と比較し、排卵期・黄体期でそれぞれ増加することが示された。排卵期はスティフネスの低下がROM増加に寄与し、黄体期には受動的トルクの増加がROM増加に寄与した。脛骨前方移動量は月経周期で有意差を認めず、月経周期における関節弛緩性の変動は筋の柔軟性より小さいことが明らかとなった。これらの結果は、月経周期の排卵期における前十字靭帯損傷の発症リスクが関節の弛緩性だけではなく、筋の柔軟性とも関連することを示唆するものであり、臨床的に重要な知見であると考えられる。 2)健常な若年女性の月経周期と筋パフォーマンスの関連性を検討した結果、ハムストリングスの最大随意等尺性筋力、筋活動量およびTriple Hop testは、排卵期と比較し黄体期に増加することが示された。月経周期における筋力の変動はスティフネスの変動と相関が認められなかったが、筋活動量との間に正の相関関係が認められた。今回の知見は、排卵期にスティフネスが低下しても、筋力は低下せず、卵胞期と同レベルの運動パフォーマンスを他の期でも維持できることを示唆している。 本研究の知見は、女性の月経周期における内的要因の変動を考慮した新たなスポーツ障害の予防プログラムの構築の一助となることが期待でき、有益な情報となるものである。
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