2018 Fiscal Year Research-status Report
大豆イソフラボンの免疫調節作用によるメタボリックシンドローム予防とその機構解明
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18K17967
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中本 晶子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90803536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大豆イソフラボン / エクオール / メタボリックシンドローム / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
大豆の栄養成分に着目し、メタボリックシンドロームの発症抑制に関する基盤的研究として、(1)大豆イソフラボンの免疫調節作用による抗メタボリックシンドローム療法を動物レベルで開発すること、(2)免疫系調節によるメタボリックシンドローム作用のメカニズムを遺伝子改変動物を用いて明らかにすること、(3)大豆イソフラボンが代謝系に及ぼす影響をメタボローム解析で明らかにするとともにそれがメタボリックシンドローム発症にどのように関連するのかを明らかにすることの3点があげられる。 メタボリックシンドロームは慢性炎症が起因となる全身性の代謝異常を引き起こす疾患であるが、近年、肥満や糖尿病に対する免疫細胞、特にT細胞の役割に注目が集まっている。そこで今回、イソフラボンが免疫細胞機能を調節し、代謝制御に連動することを検証するため、T細胞およびB細胞が欠損したRAG-1欠損マウス(RAGKOマウス)に高脂肪食を摂取させて食餌誘発性肥満マウスとし、イソフラボン(エクオール)の作用について検討した。 全身性の慢性炎症により惹起されるメタボリックシンドロームでは糖脂質代謝異常を引き起こすため、対照群およびエクオール投与群に対してインスリン負荷試験を行った。その結果、WTではエクオール投与により糖代謝を改善する作用があることが示された。一方、RAGKOマウスではエクオール投与により対照群と比べ糖代謝は改善されるが、その程度はWTよりも低かった。これにより、エクオールは糖代謝改善作用に対しT細胞およびB細胞が関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大豆の栄養成分に着目し、メタボリックシンドロームの発症抑制に関する基盤的研究として、(1)大豆イソフラボンの免疫調節作用による抗メタボリックシンドローム療法を動物レベルで開発すること、(2)免疫系調節によるメタボリックシンドローム作用のメカニズムを遺伝子改変動物を用いて明らかにすること、(3)大豆イソフラボンが代謝系に及ぼす影響をメタボローム解析で明らかにするとともにそれがメタボリックシンドローム発症にどのように関連するのかを明らかにすることの3点をあげている。平成30年度は遺伝子改変動物を用い、免疫細胞とメタボリックシンドローム作用について検討を行った。その結果、エクオールは糖代謝改善作用に対しT細胞およびB細胞が関与していることが分かった。以上の理由により、おおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
大豆イソフラボンは構造が女性ホルモンの一種である17β-エストラジオールに類似していることが知られており、生体への大豆イソフラボン作用は、エストロゲンレセプターに直接結合するエストロゲン様作用および内在性のエストロゲンとエストロゲンレセプターの結合を阻害する抗エストロゲン様作用が知られている。大豆イソフラボンの生理作用とエストロゲンレセプターとの関連をin vivoで直接証明した研究は皆無であるため、今後リンパ球特異的にエストロゲンレセプターを欠損させたマウスを用い、大豆イソフラボンの作用をリンパ球のエストロゲンレセプターとどのように関連しているのかを明らかにする。さらに高脂肪食を与えたWTマウスおよびRAGKOマウスの血漿中に含まれる代謝産物を網羅的に計測し、生理的相違の原因となる主要因子を抽出することで、大豆イソフラボンがメタボリックシンドロームの発症あるいは発症予防に関わるバイオマーカーおよびメカニズムを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
メタボローム解析装置は所属施設に設置されているが、解析にかかる初期消耗品および使用料が他の機器よりも高く、初年度に50万円を計上していた。本年度はデータ収集を主とし、解析は次年度以降に行うものとしたため次年度使用額が生じた。 次年度使用額の平成31年度での使用計画は下記の通りである。 当該年度に計上していたメタボローム解析のための初期消耗品費および実験動物、培養器具、試薬等を消耗品費として使用する予定である。さらに、学会を通じた社会への発信事業に積極的に参加し、研究成果を広く社会へ広報するための旅費として使用するとともに、本研究に関連した成果を原著論文として投稿するために必要な英文校正、論文投稿用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)