2020 Fiscal Year Annual Research Report
Prevention of metabolic syndrome by immunomodulatory action of soy isoflavone and elucidation of mechanism
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18K17967
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中本 晶子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90803536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大豆イソフラボン / エストロゲンレセプター / メタボリックシンドローム / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大豆の栄養成分に着目し、メタボリックシンドロームの発症抑制に関する基盤的研究として、大豆イソフラボンが免疫調節作用を発揮し、メタボリックシンドロームを軽減するという新規のアプローチ法に基づいた研究である。近年、肥満や糖尿病に対する免疫細胞、特にT細胞の役割に注目が集まっている。大豆イソフラボンは構造が女性ホルモンの一種である17β-エストラジオールに類似しており、生体への作用はエストロゲンレセプター(ER)に直接結合するエストロゲン様作用および内在性エストロゲンとエストロゲンレセプターの結合を阻害する抗エストロゲン様作用が知られている。一方で、大豆イソフラボンの生理作用とERとの関連をin vivoで直接証明した研究は皆無である。そこで今回、リンパ球特異的にエストロゲンレセプターを欠損させた(T-ERKO)マウスを作製し、T細胞機能に対するエストロゲンの作用を検討した。 野生型(WT)およびT-ERKO雌マウスに対して卵巣摘出手術(OVX)を行い、対照群として偽手術(sham)を行った。卵白アルブミンで免疫を施し、各マウスの脾細胞に対して抗原再刺激時のサイトカイン産生量を測定した。その結果、Th1系サイトカインのIFN-γ産生はWT-sham群に比べてWT-OVX群で有意に減少し、T-ERKO-shamおよびT-ERKO-OVX群でも同様に有意に減少した。しかしながら、T細胞特異的にERが欠損しているとOVXによる内在性エストロゲンが枯渇したことによる差は認められなくなった。一方、Th2系サイトカインのIL-4産生は野生型では卵巣摘出により産生量が増加する傾向にあるが、T細胞特異的にERが欠損すると産生量が抑制され、shamとOVXの両群で差は認められなかった。このことから、T細胞に対してエストロゲンはTh1を促進し、Th2を抑制する作用があることが示された。
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Research Products
(4 results)