2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel nutritional approach to muscle atrophy: Connecting iron and energy metabolism
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18K17968
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内田 貴之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (00803561)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アコニターゼ / ミトコンドリア / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
寝たきりなどの微小重力環境では、筋量の減少と筋繊維タイプの変化を主徴とした廃用性筋萎縮が誘導される。また、このような環境においては細胞内のエネルギー産生経路が、ミトコンドリアによる好気的経路から嫌気的解糖系へと変化することが報告されている。このような萎縮環境における代謝変化は、筋萎縮の進展に重要な役割を果たしていると考えられる。代表者はこれまでの研究で、筋細胞が微小重力環境に置かれるとミトコンドリアに存在するTCAサイクルの律速酵素であるアコニターゼの活性が低下することを明らかにしてきた。本研究では、筋萎縮環境で一般的に見られるエネルギー代謝の変化にアコニターゼが関与していると仮定し、検証を行った。 本年度は、引き続きC2C12細胞においてsiRNAを用いたアコニターゼノックダウン実験と動物を用いた尾部懸垂実験を行った。これまでにアコニターゼノックダウンにより、好気的代謝が阻害され遅筋型ミオシンの発現が低下することが明らかになっているが、これにはAMPKのリン酸化が関与していることが明らかになった。さらに、阻害剤を用いた検討から、このような遅筋型ミオシンの分解にはマトリックスメタロプロテアーゼが関与していることが示唆された。また、動物を用いた尾部懸垂実験では、腓腹筋およびヒラメ筋など、中間筋あるいは遅筋においてアコニターゼの発現低下が見られた。 これらの結果は、微小重力環境におけるアコニターゼの活性低下が筋萎縮の進展に重要な働きを担っていることを示唆している。
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