2018 Fiscal Year Research-status Report
不均一な時系列データセットからの相互作用パターン抽出およびその定量評価方法の開発
Project/Area Number |
18K18108
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
久保 孝富 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任准教授 (20631550)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時系列分節化 / 相互作用 / ノンパラメトリックベイズ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は時間的に変化する未知の相互作用のパターンを,複数の時系列データセットから自動検出し,かつ相互作用の定量的評価を可能とする手法の開発を目指すものである.関連既存研究の多くでは時系列の分節化を行うことで,パターンの検出を行っているが,データに均一性を仮定したり,不均一性を扱えたとしても分節化にとどまったり,あるいはブラックボックス的なモデルで解釈が困難であったり,と様々な問題があった.本研究では,ベータ過程自己回帰隠れマルコフモデルなどで基礎的なパターンを抽出し,その基礎的なパターンの組み合わせからなるより複雑なパターンをベイズ階層言語モデルなどで捉えるという2ステップのアプローチを用いる.それによって,既存手法における仮定条件の緩和や問題点の解消を行う.また上述の手法をさらに拡張することで相互作用パターンの定量的評価技術の開発に繋げたいと考えている. 今年度はベータ過程自己回帰隠れマルコフモデルにベイズ階層言語モデルを併用した場合にヒトのカテゴリー分割と一致度は高まるのか、という検証から取り組み始めた.再現性のあるパターンの単位に対してヒトは特定のカテゴリーと見なすであろうと考えられるが,その仮定が妥当であれば,提案手法による分節化との合致はある程度期待できるものだと期待していた.本研究では,(1) 人工データ,(2) ヒトの解釈が一意に与えられるシンプルな相互作用パターンのデータ,(3) 複雑な相互作用パターンを示すデータ,と段階的に提案手法の有用性を検証してきた.2018年度はこれらの内容に関して検証結果をまとめ,国際会議で発表を行った.また,学術誌論文への報告に向けて準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で記載したように,当初予定していた本年度の実行内容を適切に遂行できており,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2ステップで構成されていた手法を1つの確率モデルとして統合化し直すことを検討している.ただし,各ステップのモデル単独でも非常に複雑なモデルであることから,実際には統合に伴ってモデル化,パラメータ推定,あるいはプログラム実装など,いずれかの段階で困難に直面する可能性が懸念される. そのため,2ステップ構成の手法のままで十分機能する場合には,本段階は必須ではないとも考えている. 2019年度には相互作用の定量的評価,その相互作用の有意性の検定,因果推論などの手法と組み合わせられるか検証を行う予定である.これら手法と組み合わせることで,相互作用パターンの定量評価が可能となるか,それに対するヒトの直観的定量評価と比較を含め,検証する.
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