2018 Fiscal Year Research-status Report
Modern Reorganization of the Transportation System and Integrity of the State in Iran
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18K18257
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大足 恭平 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助教 (50506524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ガージャール朝 / 鉄道建設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は資料収集による電信・鉄道の建設計画の網羅的把握の準備を実施した。インフラ整備は利権やロシアとの対抗上、イギリス帝国がもっとも関心をもった分野である。そのため地元有力者などによる計画がもっとも網羅的に報告されており、その結果、当該文書を収蔵するイギリス公文書館に多くの資料が収蔵されている。本年度の夏に同館を訪れ、所蔵するイラン現地エージェント報告をはじめとする史料を実見した。当該史料は、イギリス公文書館所蔵の関連史料は、外務省・植民地省・コモンウェルス省シリーズ(FO)のみならず、陸軍、海軍、インド省など多岐にわたるものであり、約1週間にわたり可能なかぎりデジタルカメラによって撮影した。この史料群は全体としては非常に大部となるため、網羅的に収集できた、といえるまでにはまだ道のりが遠いものとおもわれる。
この調査において撮影した一部はテキスト化しつつあるが全体にエフォートが取れないなか、いまだに一部に留まっており、分析・分類に着手し、地理情報システム上にプロットするにはいたっていない。また後述のように現地調査による資料収集ができておらず、今年度については、イギリス由来の資料に限定して分析を実施中である。イラン由来の資料については、オンラインで確認できる資料の整理や学説や言説の整理のみしか実施できていない。
実施する予定であったイラン現地での調査は準備不足ならびに校務により長期の出張を断念せざるをえなかったことから実施できていない。また今年度は4年にいちどの世界中東研究大会の実施年であり、同大会に参加することで、史資料情報の交換をはじめ研究者ネットワークの拡充に資することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期休暇中に、イギリスおよびイランにおける文書館での調査を2回予定していたが、イギリスの1回のみにとどまってしまっている。これは所属機関の体制の変化による校務繁多のため長期出張での資料収集が出来なかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き初年度実施できなかった現地・欧州での資料収集を実施するとともに資料のデジタル化を推進し、GIS上への配置を急ぐ。
利用するGISの選定にあたっては、その汎用性の高さと入力したデータの再利用性から実施する予定である。
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Causes of Carryover |
資料調査の実施回数ならびに資料の存在を前提とした処理物品の購入がなかったため。
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