2019 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the Transnational Nuclear Legacy in the Marshall Islands
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18K18261
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
竹峰 誠一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (40523725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マーシャル諸島 / 核実験 / ニュークリア・レガシー / 米国 / 太平洋諸島 / グローバルヒバクシャ / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な成果は次のとおりである。 1)マーシャル諸島で現地調査を実施した。①National Nuclear CommissionのChair Rhea Moss-Christian氏をはじめ、関係者と会合を積み重ね、動向をつかむとともに、信頼構築を図ることができた。②アイルック環礁選出国会議員Maynard Alfred氏をはじめ、同出身の住民の家を訪ね、水爆ブラボー実験の体験者をはじめ20名あまりのインタビューを得ることができた。それともにアイルックから米本土に移住した人たちの行き先などの情報を得ることができた。③Melaika Andrike氏やLani Kramer氏とのインタビューを行い、米本土のワシントン州に移住したマーシャルコミュニティの情報を得ることができ、今後の調査の協力を得られる見通しとなった。なお当初は地方のアイルック環礁に足を延ばして調査を進める予定であったが、デング熱の発生のため渡航制限が出され、首都マジュロのみで調査を行った。 2)米国のワシントン州とニューメキシコ州で現地調査を実施した。①ワシントン州に移住したマーシャル人コミュニティとネットワークを広げ、調査報告会を当事者の前で実施し、交流する機会を得た。かれらにとってのマーシャル諸島の核問題とは何か、学び続ける意味が見えてきた。②マーシャル諸島共和国のNational Nuclear Comission)委員を務めるUniversity of WashingtonのHolly M. Barker氏と意見交換を重ね、NCCの戦略やNuclear Justiceに関して理解を深めることができた。③ロスアラモスなどマーシャル諸島の核実験と深く結びつく現場を訪ね、トリニティの核実験の問題やウラン鉱山開発の問題への理解を深め、より幅広い核開発史の歴史から、マーシャル諸島の核実験問題をとらえる視野が拓かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マーシャル諸島と米本土への現地調査は実施できた。その点は調査計画通りに進み、今後の調査の土台は築くことができた。しかし新型コロナウィルスの感染拡大のなかで、2020年3月に実施予定であった米本土の調査が実施できず、2019年8月のマーシャル諸島調査もデング熱発生のために地方への調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染拡大と予防措置のためにマーシャル諸島共和国は入国制限をしており、調査予定先のハワイや米本土への調査もこの先も容易ではないと考えられる。2020年度に海外調査を実施するのは難しいと考えられ、研究は1年延長を視野に置いて取り組んでいくことになりそうである。ただすべて止めるのではなくて、これまで積み重ねてきた調査結果のまとめと発信に力点を置いて、今後の調査の土台を築く研究を国内をベースに進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定していた米国への調査がコロナ感染拡大に伴い中止を余儀なくされたため。新型コロナウィリス感染拡大に伴う渡航制限が緩和された際に再度計画予定である。
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Research Products
(4 results)