2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the Transnational Nuclear Legacy in the Marshall Islands
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18K18261
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
竹峰 誠一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (40523725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マーシャル諸島 / 核実験 / ニュークリア・レガシー / 太平洋と核 / 抵抗 / 非核太平洋独立運動 / フォールアウト / グローバル・ヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
主な成果は次の4点である。 1 マーシャル諸島の核実験とそれに対する現地の抵抗を掘り起こしつつ、その現地発の抵抗を、米国の核開発、さらに部分的核実験禁止条約のグローバルヒストリーのなかに位置づけ、第五福竜丸被災に端を発した原水爆禁止を求める世論の高揚と交差させて、論じた論稿を“Resisting US Nuclear Tests: The UN Petition from the Marshall Islands,”と題して英語で発表することができた。 2 マーシャル諸島だけでなく、「核の海」とされた太平洋諸島とそれに抗った太平洋諸島地域の軌跡を掘り起こし、「冷戦」という時代を太平洋諸島の人びとから問い直す論稿を「オセアニアから見つめる「冷戦」――「核の海」太平洋に抗う人たち」と題して発表することができた。 3 2023年8月にマーシャル諸島に現地調査を実施して、福島原発からの海洋放出に反対や懸念を示す現地の動きと、憂慮する背景に、植民地とされ核実験が繰り返され、その後の体験があることがみえてきた。現地調査の結果は、2022年に実施した北マリアナ諸島の調査で得たこととも含めて論考「福島第一原発事故の後始末――海洋放出に反発する太平洋諸島の人びとの声」にまとめて発表することができた。 4 2024年3月にグアムで、マーシャル諸島の核実験によるフォールアウトの問題を調査し、米議会に働きかけているPacific Association for Radiation Survivors (PARS)代表のRobert Celestial氏と再びお会いすることができた。最近の状況に関して理解を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ渦によって、海外調査が制限されたため、当初の計画通りには進まなかった。しかしそのときに、幸いにして、貴重な文書資料の寄贈を受けたりして、稀少な文献、資料の収集することができた。またこれらの文献資料を活用し、フィールド調査で得た知見とも重ね合わせながら、複数の論文を書き上げたものが、2023年度に相次いで刊行された。
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Strategy for Future Research Activity |
・フィージーで現地調査を行い、環境社会学会で報告する予定である。 ・グアムに関する調査をまとめて、論文にできるように、追加調査を行い、執筆をつづけたいとも考えている。 ・新たな共著本の出版計画に向け、早ければ2025年度の出版を視野に、追加調査を続け書き進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ渦のなかで、国内外の調査が制限されて、繰り越していたものがあったため
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Research Products
(5 results)