2019 Fiscal Year Research-status Report
An organizational study of Japanese traditional tourist association and destination management organization
Project/Area Number |
18K18273
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 侑介 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (00743238)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 観光協会 / DMO / 経営戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、①日本の観光協会の組織化プロセスの解明、②スペインにおけるDMOの組織化プロセスの理解、③観光協会とDMOの組織化プロセスの差異に起因するそれぞれの組織特性の把握、④観光協会のDMO化を前提とした日本版DMOの政策的課題と可能性の検証を行った。 ①については、北海道内の観光協会に対するインタビュー調査、アンケート調査を行った。観光協会は日本版DMOの母体として期待され、その機能強化が取り組まれている一方、学術研究の対象となることが少なく、組織文化や構造上の特性が把握されていない。今年度は北海道内にある180の観光協会のうち140の観光協会に対してインタビュー調査・アンケート調査を行い、その結果、観光協会の組織上の特徴の把握と類型化を行うことができた。国内では観光協会のあり方について、DMO化や組織の統廃合などや多様な議論が行われており、本研究の成果はこうした議論の進展に貢献するものであると考えている。 また②についてはバルセロナ市のDMOの事務局長へのインタビュー調査を行ったほか、③④の研究を進める上で、DMOを政策として移入した別の事例を検証する必要が生じたことから、ドミニカ共和国、エクアドル、チリのDMOについての現地調査、各DMOの事務局長へのインタビュー調査を実施した。 国外のDMO研究の多くは既に確立されたDMOの事業構造や組織形態を表面的に把握するものが大半であるが、本研究では事務局長へのインタビューを通じて意思決定プロセスや組織内部の利害関係、デスティネーション・マネジメントを行う上での実質的な課題などについても情報収集を行っており、DMO研究の進展はもちろん、観光協会のDMO化を検討する多くの地域に貢献するものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度はスペイン・カタルーニャ州での抗議行動の激化に加え、年末以降は新型コロナウイルスの発生により実質的に国外での調査が難しくなった。そのため現地調査の期間が限られたり、予定していた現地調査を中止せざるを得なくなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
緊急事態宣言が終了し以降、段階的に道内の観光協会への調査を再開し、夏までに残りの40の観光協会へのインタビュー調査・アンケート調査を終える。また国外事例については追加の調査を行えない可能性が高いため、人的ネットワークを通じた資料収集とテレビ電話でのインタビュー調査を通じて調査を進め、下期に研究目的③④の取りまとめを行う。
|
Causes of Carryover |
各地の治安情勢の悪化や新型コロナウイルスの発生によって現地調査の機会が限定されたり、調査自体が中止となった。具体的にはスペインでの調査をバルセロナ市に限定したほか、道内での観光協会へのヒアリング調査も中断している。翌年度に社会情勢等を踏まえ段階的に調査を再開する予定である。
|
Research Products
(4 results)