2021 Fiscal Year Research-status Report
足部・歩行機能指標に基づく変形性膝関節症のリスク評価手法の開発と縦断研究
Project/Area Number |
18K18363
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
安在 絵美 奈良女子大学, 生活環境学部, 特任講師 (70814987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / ワイヤレス歩行計測 / 足底剪断力 / 加速度 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性膝関節症(膝OA)の診断および重症度の判断は患者の主訴(疼痛程度)や医学的な画像検査により行われている.本研究では変形性膝関節症(膝OA)の歩行機能に着目し,地域で利用可能な歩行計測装置の開発と重症度推定のための評価指標の構築を目指している.2021年度は2件の成果発表を行った.1件目は2020年度に進めた分析内容についてバイオメカニズム学会誌に原著論文発表した.これはフィールド実験の内容についてまとめたものである.具体的には,フィールド実験では71名の高齢者を対象とし,足底圧力センサインソールおよび下肢の慣性センサでの歩行計測を実施した.そして理学療法士が観察評価する膝OAの歩行評価着眼点について,71名に対する観察者の評価を行った.慣性センサデータを用いて,観察者評価のグレート(膝の不安定性程度)に対するモデル構築ができ,専門家が不足する地域での高齢者の膝OAリスク評価の手法について提案することができた.2件目は,三軸力センサおよび慣性センサを用いた足部運動評価の有用性について述べたものである.膝OA者は後足部の内外反運動に特徴が見られるため,膝OAのリスクを足部運動から推定することを目指しているためである.今回は,膝OAではないが,足首の過回外が見られる慢性足関節不安定症の患者を対象とし,医療機関と連携して過回外を誘発させる実験を実施した.足底三軸力センサを埋め込んだインソールと靴に取り付けた慣性センサを用いて誘発しやすい条件下にて歩行計測を行ったところ,急激な過回外時の特徴的波形を捉えることができた.これをまとめ,Journal of BiomechanicsのTechnical noteとして発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度遅れていた成果発表について,2件完了した.さらに現在2件成果発表を控えているため引き続き進める.
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Strategy for Future Research Activity |
現在2件の成果発表を予定している.1件は英文雑誌で,現在査読中である.もう1件は学会での口頭発表を予定している.また,高齢者フィールド現場の関係者への報告を行い,今後の現場でのシステム活用法およびユーザへのデータの提示方法について議論する予定である.
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Causes of Carryover |
現在成果発表のための論文を投稿しており,その掲載料に使用する予定である.
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Research Products
(6 results)