2018 Fiscal Year Research-status Report
低コストな医療福祉用AGVのための全天球カメラと進化計算を用いた画像センシング
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18K18427
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐藤 惇哉 岐阜大学, 工学部, 助教 (20799944)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Visual odometry |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,医療福祉分野に向けた低コストなAGV(無人搬送車)を開発するために,1台のみの全天球カメラを使用する.そのカメラから得られた動画像に対して進化計算と呼ばれる,複数のパラメータを同時に最適化できる手法を適用することで,人や物を高速かつ高精度に認識できるアルゴリズムを開発することが目標である.この目標を達成するために,昨年度ははじめにvisual odometryと呼ばれる,画像のみからGPSのように自分の位置を推定する技術に注目し,その手法の改良に取り組んだ. 画像から自己位置を推定するためには,ある時刻に撮影された画像と,次の時刻の画像の2枚を使用して画像中の風景がどのように変化したかを取得する必要がある.そのためには,画像から特徴点と呼ばれる情報を抽出する.この特徴点が次の時刻でどのように移動したのかという対応関係を推定することで,カメラの位置と姿勢,つまり自己位置が推定できる.しかし,異なる画像間の特徴点マッチングは既存手法では完璧でなく,マッチングに失敗する場合もある.マッチングが失敗した状態で自己位置を推定すると精度が低下すると考えたため,新たに誤対応した特徴点を自動的に除去するアルゴリズムを開発した.また,動画の風景変化量から,自分が右左折しているのか,直進しているのかを判別するアルゴリズムも開発した.これらを組み合わせることで,従来よりも誤差を減少させることに成功した. 初年度は自己位置推定の基礎的技術の理解とその改良が目標であったため,その目標を達成することができた.この成果は国内学会で発表予定である.しかし,この研究では全天球カメラが使用されていないため,今年度は全天球カメラに応用する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究目的を達成するためには,1)visual odometryの基礎的技術の理解,2)全天球カメラを用いたvisual odometry,3)人や物の検出,4)AGVの開発といったことが必要である.これらの中で,初年度は1)visual odometryの基礎的技術の理解に加えてその改良手法の考案と学会発表,3)全天球カメラを用いたディープラーニングによる人や物の検出を達成できた.半分の課題を達成できたため,本研究はおおむね順調に進展していると言える.今後は残りの2)と4)に取り組む.2)は1)の技術を応用することで達成可能と考えている.4)は実際の現場の状況に依存するため簡単ではないが,まずは研究開発用のAGVを用いて,全てのシステムを統合した試作機を製作し,徐々に現場を見据えた開発をする予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況でも述べているように,今後は初年度で開発したアルゴリズムを全天球カメラに適用し,問題点を解決していく予定である.また,ディープラーニングを用いた人や物の物体検出は全天球カメラで既に実現可能であることを確認しているため,両手法を組み合わせることで,自己位置推定しながら周囲の人や物を推定できるシステムを構築する予定である.システムが完成したら,研究開発用のAGVと統合し,自律走行が可能かを調査する.実用化に向かうにつれ,様々な解決すべき課題が表れると考えられるため,その都度改良する予定である.現在の所は様々なパラメータを最適化する必要がないため,進化計算を利用していないが,今年度の目標のように実用化に向けた開発を進めると複数パラメータの最適化の必要性が出てくると予測している.その際に進化計算を活用することで,高速かつ高精度やセンシングを達成する予定である.
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Causes of Carryover |
前年度はソフトウェアである画像認識のアルゴリズム開発に注力したため,研究用AGVといったハードウェアの購入機会が無かった.これが理由のひとつである.また,前年度中に成果発表することができなかったのも次年度使用額が生じた理由である.
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[Presentation] IPM Insertion Using Force Sense and Visual Feedback Control2019
Author(s)
Yoshiaki Ichikawa, Takayoshi Yamada, Junya Sato, Kazuaki Ito, Hidehiko Yamamoto, Motoharu Fujihara, Satoshi Kawaguchi, Takehiko Suzuki, Jin Izawa
Organizer
IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization
Int'l Joint Research
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