2019 Fiscal Year Research-status Report
他者とのつながりが高齢者を元気にする事ができるか?:共同行為中の脳活性に着眼して
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18K18459
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
塗木 淳夫 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (50336319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40708054)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70295244)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 共助 / 触力覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ネットワークを介した共同作業が脳の活性化に効果がある事を神経生理学的に解明することを目的とする。具体的には、今後飛躍的に発展する可能性のあるヒューマンインターフェイスの一つである触力覚提示装置を用い、ネットワークを介した遠隔地同士での環境を模擬した共同作業の実験を行う。この時の脳活動活性の状態を、脳全体の状況(脳波)と運動野の活動状態(経頭蓋磁気刺激法)によって評価し、新技術活用が他者とのつながりを強くすることを明らかにする。本研究で高速インターネットや仮想・拡張現実などの技術が認知症予防に有効であることが明らかになれば、元気で働くことのできる高齢者が増加し、支える社会負担の減少により活力ある社会の創出実現へとつながることが期待される。 本研究の目的を達成するために、本年度は以下の研究を行った。前年度に作成した共同行為課題システムを用いて、三者における共同行為課題とテレコミュニケーション(異なる作業場所)における共同行為が行えるシステムにアップグレードした。さらに、共同行為を行うためのフィードバック情報を視覚情報のみでなく力覚情報も与えることができるように改善することができた。三者での共同行為で同様の条件で実験し、力覚と行動認識の関連性について調査した。その結果共同行為の行動調整において、二者よりも三者での方が合力の安定性が高まる傾向が見られた。また、共同行為での力の同期戦略は、二者、三者ともに視覚情報だけでなく力覚でのフィードバックによっても可能となることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度の研究目標であった「前年度に作成した共同行為課題とテレコミュニケーション(異なる作業場所)での実験を実施し、運動パフォーマンスを定量的に明らかにすることが出来たため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に行った実験に追加実験を行い、筋電図や脳波などの電気生理学的データも取得することによって、共同行為の脳活性に与える影響について定量的に明らかにしたい。
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Remarks |
鹿児島大学工学部生体計測工学研究室 研究内容 http://www.ibe.kagoshima-u.ac.jp/~nurulab/research.html
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Research Products
(2 results)