2021 Fiscal Year Research-status Report
デジタルヒューマニティーズを促進するオープンデータ環境およびシステム基盤の構築
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18K18508
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石田 栄美 九州大学, 附属図書館, 准教授 (50364815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中藤 哲也 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (20253502)
畑埜 晃平 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60404026)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | オープンデータ / 貴重書のデジタル化 / 研究データ管理 / メタデータ補完 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究データのオープン化のために、九州大学附属図書館で所蔵している貴重書のうち、桑木文庫の中から、研究資料として価値が高いと考えられる25点を選択し、デジタル化した(1,932画像)。これらの画像については、IIIFに対応させ、九州大学附属図書館のデジタルコレクションで公開済みである。また、テキスト化の試みとして、デジタル化されてはいるがテキスト化されていない手書きの冊子体目録一冊をテキスト化した。 また、九州大学図書館デジタルアーカイブのメタデータについては、昔に作成されたメタデータは、基本的な項目しか情報が入力されていないものがあり、メタデータの補完を行ってきた。このメタデータの補完により、アクセシビリティ向上が高まるかについて検証した。メタデータの項目のうち、タイトルのカタカナ表記、タイトルのローマ字表記、代替タイトル、著者のカタカナ表記、著者の識別子(ID)、著者の別名、九州大学の書誌ID、出版年などの項目を対象に該当する情報を入力することでメタデータの補完を行った。2020年と2021年に補完した7,249メタデータを対象に補完前と補完後のアクセス数を調査した。メタデータが更新された月の前後数か月のアクセス数を比較したところ、国内外を含むキャンパス外からのアクセス数が増加していた。このことから、メタデータの補完はデジタルアーカイブのアクセシビリティの向上に貢献する可能性があることがわかった。 大学における研究データ管理を検討する一貫として、「デジタルトランスフォーメーション時代のデータキュレーションと情報管理」という国際イベントの内容を提案し、その中で「日本の大学において研究データ管理を実現させるための研究」と題した発表を行なった。その後、このテーマについて登壇者と議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は貴重書のデジタル化作業は実施することはできたが、コロナウイルス感染症拡大の影響で、十分な時間を取ることができなかった。研究データ管理に関するイベントの企画や実施はできているが、オンラインイベントのため、登壇者ら専門家との議論に十分な時間を取ることができず、検討が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
貴重書のデジタル化については、作業を継続する。メタデータの補完だけでなく、デジタルアーカイブのアクセス性の向上や研究資料としての有効性等についても他の方向性がないかを検討する。 また、研究データ管理についても、実施する場合に必要な支援や人材等についての検討を行う予定であるが、テレビ会議ツール等とも併用しながらも、検討が進むように今後はフィールド調査や長時間議論ができるような機会を設けるようにする。
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Causes of Carryover |
資料のデジタル化を進める予定であったが、コロナウイルス感染症拡大のため、状況が落ち着くまで作業を依頼することができなかった。また、成果発表した国際会議もオンラインで開催されたため、参加費が無料だったことや旅費等を支出する必要がなかったことともあり、次年度使用額が生じた。
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