2020 Fiscal Year Research-status Report
Developing Methods Appropriate to Investigate Trademark Depletion: A Linguistic Approach
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18K18513
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 専任教授 (70330008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正晴 立命館大学, 法学部, 教授 (70368017)
井上 由里子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (60232568)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 商標 / 枯渇 / 法言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、以下の要領で研究を行うことを予定していた。①日本語コーパスで出現頻度の高い内容語、上位3,000語、5,000語、10,000語のそれぞれのレベルの言語表現が、商標としてどの程度登録されているかについて、特許庁が公開している「特許庁商標検索ガイド」などの商標データベースを利用して調査する。② 枯渇は、人名を中心とした固有名詞について、出現頻度上位1,000語について、商標としてどの程度登録されているかを、上述の商標データベースを利用して調査する。 ③ ①および②で示された調査の結果をもとに、表現の組み合わせの理論的考察を語形成論の立場から、消費者が当該商標をどのように認識するのかを言語心理学の立場から実験を通して検討することによって、言語表現の枯渇という現象の現状を言語学的に明らかにし、既存の法学的議論を整理・評価した上で、言語学および法学の両分野からの批判に耐えうる枯渇への対処の方策を議論する。これらに加え、外部講師を招いた研究会の開催、上位3000語レベルのデータ収集、200人規模の言語心理学的実験、当該研究の第一人者である米国のニューヨーク大学のB. Beebe教授や商標の研究で知られるカナダのヨーク大学のC. Craig教授の訪問、国際シンポジウムの開催、国内外での研究成果の公表なども予定していた。しかし、新型コロナウイルスの予防対策の影響によって、これらのほとんどが実現できなかったため、研究計画に大幅な遅れが生じている。ただし、地域団体商標については、商標としてどの程度登録されているかというテーマについては、データの収集・整理を一定程度終えることができたため、これを中心にまずは分析を進めている。また、人名を中心とした頻出姓の出現頻度上位1,000語について、商標としてどの程度登録されているかを調べる作業も同時並行的に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は、新型コロナウイルスの予防対策の影響によって、データ収集に必要なアルバイト人員が確保できなかったこと、当該研究の第一人者らのインタビュー調査ができなかったこと、関連研究の研究者を招聘した研究会やシンポジウムが実施できなかったこと、被験者の確保が困難を極め、実験ができなかったことなどにより、当初の予定がほとんど実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響でデータをコンパイルするためのアルバイト人員を確保することが極めて難しい状況ではあるが、状況が改善し次第作業を再開する。また、研究期間も残り少ないが、研究代表者と研究分担者間で議論を深め、分析の準備ができたデータセットから随時分析を行なっていく。併せて、学会発表なども積極的に行い、研究成果の公表に努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、予定していた研究計画がほとんど実行できなかったため。令和3年度は、人の移動などが自由になれば、予定していた計画を順次実施していく予定である。
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