2022 Fiscal Year Research-status Report
タイムユーズサーベイを応用した官僚の行動分析の革新
Project/Area Number |
18K18556
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 栄一 東北大学, 教育学研究科, 教授 (50370078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 亘 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (40299061)
曽我 謙悟 京都大学, 法学研究科, 教授 (60261947)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (70361673)
村上 裕一 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (50647039)
河合 晃一 金沢大学, 法学系, 准教授 (50746550)
|
Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2024-03-31
|
Keywords | タイムユーズサーベイ / ワークライフバランス / ダイアリー式サーベイ / 官僚制 / 行政学 / ウェブサーベイ / PSM(パブリックサービスモチベーション) / 長時間残業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績をアウトプットとインプットから記述する。 アウトプット:2021年度に実施した中央省庁職員を対象としたインターネットサーベイによるタイムユーズサーベイの集計を行い、その結果を公表した(「2021年国家公務員ワークライフバランス調査基礎集計」)。このサーベイは調査企業に登録された回答者のうち、国家公務員に対して行ったものであり、中央省庁の本省及び地方支分部局に勤務する職員に限定して回答を求めた。調査項目はフェイスシート、ワークライフバランスに関する質問、そして1日を30分単位で区切り業務や生活に関する行動を記録するダイアリー調査である。今回公表したのはフェイスシートとワークライフバランスに関する質問部分である。なお、ダイアリー調査部分の集計は終え、2023年度に学会でポスター発表をする予定である。なお、集計に際しては大学院生の協力を得て、当該領域に関する分析技法を若手研究者に身につけていただいた。 インプット:2022年度に、2021年度と同様のインターネットサーベイを実施した。前回は国会会期中を調査期間としたのに対して、今回は国会閉会中を調査期間とした。これにより国家公務員の主要業務とされてきた「国会関連業務」を国会会期内外の比較を通じて明らかにできるという意義のある分析が今後可能となった。なお、2022年度の調査においては、インターネットサーベイのウェブサービスを用いており、その際に大学院生の協力を得た。集計作業と合わせ、大学院生等若手研究者の育成にも資するように研究を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度(2021年度)、当初予定していた調査形式(自記式の郵送アンケート)からウェブサーベイへと変更し、第1回の調査を実施した。今年度(2022年度)は第1回と比較することを想定し、昨年度と同様のウェブサーベイを用いて第2回の調査を実施することができた。まずこのサーベイを実施完了することができたことが理由である。調査にあたっては第1回で得た教訓をふまえ、より回答しやすい設計としたことから第2回ではより多くの回答を得ることができた。なお、第2回の実施においてはウェブサーベイサービスを用いて、経費の節減に成功した。一連のサーベイ実施においてノウハウを持つ大学院生に業務を委託し、若手研究者の育成にもつなげることができた。今後、本研究課題や同種の研究課題においても今回のウェブサーベイの実施方法を活用することができると思われる。これは当初予期していなかった成果であるとともに、本研究課題の進捗度を高める要因ともなった。 アウトプット面においても、アンケート調査の一部ではあるが、集計結果を公表することができた。また、タイムユーズサーベイ部分についても、集計作業を進めており、2023年度に集計結果を学会で報告する目途が立った。 なお、当初予定していた少数の官僚を対象とした長期間のタイムユーズサーベイについては、コロナ禍により業務が複雑化したために昨年度同様に依頼を断念した。代替措置として、上記のウェブサーベイでは過去一年間の残業時間を月別に調査した。これにより、繁忙期、通常期、閑散期のおおよその状況が測定でき、調査時期のバイアスの推定に必要な情報が昨年度に引き続き得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の費用を節約することができたため、次年度はインタビュー等の質的調査やさらなるアンケート調査など予算の範囲内でより実証的データを得ることをめざす。アンケート調査については、第2回では回答者の負担を考慮し、選択肢を簡素化するなどの改善を行った。今後もアンケートの実施の有無は別として、調査票の改善を進めていく。 2023年度は研究の最終年度となる可能性が高いため、アウトプットを意識して研究を推進する。具体的には、投稿した第2回サーベイの集計の公表を行う。さらに、タイムユーズサーベイ部分の集計を日本政治学会でポスター報告する。
|
Causes of Carryover |
インターネットサーベイを実施したが、当初の想定に比べて費用が大幅に節減できた。これは研究代表者の研究資源を活用し、調査会社の調査リソースをさほど投入せずにサーベイを実施することができたからである。そのため、節減できた研究費については無理に年度内に執行せず、次年度に適切に使用することとした。 また、貴重なサーベイデータを得ることができたため、集計と分析により時間をかけるべきと判断した。次年度にはサーベイデータから単純集計を公表するとともに、国家公務員の1日の時系列的勤務実態を明らかにできるタイムユーズサーベイについては学会でポスター報告する予定である。
|
Research Products
(27 results)