2018 Fiscal Year Research-status Report
動手頭脳刺激実験の大学初年次教育への導入:キッチン地球科学の挑戦
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18K18629
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗田 敬 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (00111451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 美恵 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00376625)
熊谷 一郎 明星大学, 理工学部, 教授 (50597680)
久利 美和 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (90374917)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | アナログ実験 / 火山噴火現象 / 地震活動 / 熱対流現象 / 大学初年次教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
・実験課題の整備:従来の課題の整備以外に、Dancing Raisin、Rootless Eruption実験、火炎実験、降伏応力流体の落球実験、ペットボトル噴火実験などの新しい実験課題を整備した.その幾つかは授業、研究会、一般公開の場で利用された.また実験内容は地球惑星科学連合大会、European Geosciecne Union年会、日本火山学会などで発表されるとともに、Web上に公開されている(http://kitchenearth.sblo.jp/ ).小冊子「キッチン地球科学 レシピー集」を作成し、配布するとともに上記Web上に公開した. ・キッチン地球科学研究集会の開催:2019年9月1日、2日に東京大学地震研究所にて40名余の参加者を得て開催された. ・大学、高校における実験講義の試行:東京大学教養課程・惑星地球科学実習、明星大学理工学部・プロジェクト研究実験「身の回りのものを使った考える流体実験」、都立八王子東高校・化学部特別実験、聖星高校・科学部実験講義などの機会を利用して学生の実験を指導した.実験の題材は味噌汁対流実験、綿飴実験、ベッコウ飴クラック、ペットボトル噴火実験などである.学生の興味を引き出す手法として不確定要素を含む実験課題が有効であることを確認出来た. ・キッチン地球科学の広報活動:はまぎん子供宇宙館、東京大学地震研究所一般公開、次世代火山研究者育成プログラム、地球惑星科学連合大会における「キッチン地球科学」セッション、ホイスコーレ札幌生涯学習セミナーなどの場を借りて教育における実験の役割、その具体的な利用法の宣伝活動を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験テーマの開発や大学での実験の試行を予定どうり進行している.このような実験を主体とした「考える」教育教材は高等学校において近年盛んに取りあげられている「探究型授業」とも共通している点もあり、高校教員から問い合わせが多数あった.2校において実験講義を行い、30年度に更に拡大することになった.これは当初想定していなかった展開であった.
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Strategy for Future Research Activity |
・新しい実験課題の探求:同じ目的を持つフランス、イタリアの研究者と共同で新たな実験課題の整備を目指す.これを核に国際的な研究集団・研究分野の立ち上げを目指す.2020年度European Geoscience Unionでの「Kitchen Earth Science」のセッション開催を計画中である. ・当初の目標であった大学初年次教育の場での実践に加えて高校での実験講義の展開を目指す. ・気象流体現象、環境科学、災害科学などの分野での新たな実験課題の探求・整備を行う. ・開発した実験課題をまとめた「キッチン地球科学レシピー集」の本の出版を行い、成果を広く公開する.
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Causes of Carryover |
火山噴火事象(諏訪之瀬島、霧島火山)への対応で久利、市原の研究時間が制約され、予算が次年度に持ち越された.研究内容、成果に関しては栗田が補完的に働き遅れは生じていない.30年度に出てきた新たな2つの課題:高校生を対象とする実験講義(探究型地形への応用)とキッチン地球科学の国際的な研究ネットワークの構築のために持ち越された予算は使用する予定である.高校への出張実験講義のサポートおよび11月に予定されている研究会への外国人研究者の招聘旅費、外国出張に充てられる. また久利の職の移動のために31年度は構成メンバーから外れるために、当初予定されていた計画は主として栗田が分担することで予算の再配分を行う.
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Research Products
(11 results)