2019 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンド表面での実神経細胞回路構築とNVセンタを用いた自発発火活動の長期計測
Project/Area Number |
18K19026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷井 孝至 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339708)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 神経細胞 / ダイヤモンド / NVセンタ / 自発発火 |
Outline of Annual Research Achievements |
光検出磁気共鳴計測を活用してダイヤモンド表面に構築した神経細胞回路の自発発火を表面近傍のNVセンターを介して計測できる手法を構築する。具体的には,(1)ガラス基板上で培ってきた,表面マイクロパターニングによる神経細胞回路の構築法を,これまで神経細胞足場として活用されたことがないダイヤモンド表面でも実行可能にする第1段階と,(2)ダイヤモンド表面に構築した実神経細胞回路を伝搬するパルス電流を,NVセンタを磁気プロ―ブとする光検出磁気共鳴法によって,リアルタイムかつ長期間にわたって計測できる方法論を構築する第2段階とからなる。 2019年度には、実神経細胞のダイヤモンド表面での成長を阻害せずに光検出磁気共鳴計測を行えるシステム構築を行った。具体的には、0.2mm厚のIIaダイヤモンド基板をガラスボトムディッシュの底面に固定し、ダイヤモンド表面を細胞培養液に浸漬したまま、ダイヤモンド表面近傍に形成したNVセンターの電子スピン操作を行うためのセットアップの構築、加えて、裏面からのレーザ照射により、ダイヤモンド基板を介して、表面近傍の単一NVセンターからの単一光子計測を行えるセットアップの構築を実行した。ダイヤモンド基板を介した蛍光検出では、SN比の低下が見られたが、ゼロ磁場および静磁場において光検出磁気共鳴計測を実行できることを実験的に確かめることができた。 一方、基板表面に円形細胞接着療育をパターニングして、オータプス接続のみをもつように孤立した状態で単一ニューロン成長させ、その自発発火パターンを解析した。シミュレーションとの突合により、この自発発火パターンが大きく3種類に分類できること、さらには、それらがAMPA電流とNMDA電流の割合によることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に自作した小型の細胞培養装置が、やはりそれまでに自作されていた共焦点顕微鏡のステージに整合性よくマウントできると同時に、自作による設計の自由度を高く保てたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の(1)第1段階と,(2)第2段階とのうち、2020年度に(2)に移行する。 第2段階では、下記①から③の実験を通して、ダイヤモンド上の神経細胞回路の自発発火をNVセンターで捕捉する:①単一NVセンター配列およびアンサンブル系(δドープ層)上に構築したモデル系(金属配線等)を用いた直流磁場計測、②単一NVセンター配列上への神経細胞回路のアライメントおよび長期培養と自発発火計測、③NVセンターのアンサンブル系(δドープ層)での長期培養と自発発火計測を試みる。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Triple nitrogen-vacancy centre fabrication by C5N4Hn ion implantation2019
Author(s)
M.Haruyama, S.Onoda, T.Higuchi, W.Kada, A.Chiba, Y.Hirano, T.Teraji, R.Igarashi, S.Kawai, H.Kawarada, Y.Ishii, R.Fukuda, T.Tanii, J.Isoya, T.Ohshima, O.Hanaizum
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 10
Pages: 2664
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Microcontact printing of scaffold proteins for engineering neuronal network functions2019
Author(s)
Hideaki Yamamoto, Satoshi Moriya, Katsuya Ide, Takeshi Hayakawa, Hisanao Akima, Shigeo Sato, Shigeru Kubota, Michio Niwano, Sara Teller, Jordi Soriano, Takashi Tanii, Ayumi Hirano-Iwata
Organizer
The 4th International Symposium on Creation of Life Innovation Materials for Interdisciplinary and International Researcher Development
Int'l Joint Research
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[Presentation] Self-align fabrication of nano-reservoir with NV center in diamond surface for nuclear magnetic resonance of small molecules2019
Author(s)
Kazuto Kawakatsu, Yu Ishii, Yuki Hata, Yuta Saito, Kosuke Nakamura, Kirou Nagaoka, Takahiro Sonoda, Tetsuya, Tatsuishi, Tokuyuki Teraji, Shinobu Onoda, Taisei Higuchi, Keisuke Yamada, Takeshi Oshima, Takahiro Shinada, Hiroshi Kawarada, Wataru Kada, Osamu Hanaizumi, Junichi Isoya and Takashi Tanii
Organizer
32nd International Microprocesses and Nanotechnology Conference
Int'l Joint Research
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[Presentation] Junko Imai, Hekiru Kurakake, Takuya Hashimoto, Kouhei Hattori, Koki Sato, Honoka Takahashi, Soichiro Oguma, Mihoko Ishida, Hideaki Yamamoto, Ayumi Hirano-Iwata, Takashi Tanii2019
Author(s)
Junko Imai, Hekiru Kurakake, Takuya Hashimoto, Kouhei Hattori, Koki Sato, Honoka Takahashi, Soichiro Oguma, Mihoko Ishida, Hideaki Yamamoto, Ayumi Hirano-Iwata, Takashi Tanii
Organizer
the 8th RIEC International Symposium on Brain Functions and Brain Computer
Int'l Joint Research
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[Presentation] マイクロパターン上の神経細胞への2針電極による刺激とその応答計測2019
Author(s)
鞍掛 碧流, 服部 晃平, 今井 絢子, 橋本 拓弥, 佐藤 晃揮, 髙橋 穂乃歌, 小熊 奏一郎, 石田 実穂子, 山本 英明, 平野 愛弓, 谷井 孝至
Organizer
第67回応用物理学会春季学術講演会