2020 Fiscal Year Annual Research Report
Challenges in the Development of Catalytic Nitrogen Fixation Methods Using Electrochemical Reduction Techniques
Project/Area Number |
18K19093
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西林 仁昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40282579)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | アンモニア / サマリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月に、PCP型ピンサー配位子を持つモリブデン錯体を触媒として利用する窒素ガスと水からの触媒的アンモニア生成反応が極めて効率的に進行することを明らかにして、一連の研究成果をNature誌に報告した(Y. Ashida, K. Arashiba, K. Nakajima, and Y. Nishibayashi, Nature, 568, 536-540 (2019).)。この反応では化学量論量の二ヨウ化サマリウム(SmI2)を還元剤として利用する必要があった。しかし、本触媒反応に電気化学的還元反応を適用し、反応に使用したヨウ化サマリウムの使用量を低減することができれば、実用化を格段に加速することが可能になる。この研究背景を踏まえて、三ヨウ化サマリウム(SmI3)から二ヨウ化サマリウムへの還元反応をモデル反応として検討を行った。その結果、電解質としてイオン性液体を存在させた電気化学的還元手法を用いることで、反応系では電気化学的還元反応の進行を確認することができた。最適条件下では、二ヨウ化サマリウムが82%収率および81%ファラデー効率で得られることを明らかにした。また、本電気化学的還元手法で三ヨウ化サマリウムから得られた二ヨウ化サマリウムを還元剤として利用した触媒的アンモニア生成反応を検討したところ、触媒反応に用いたモリブデン触媒当たり最高48当量のアンモニアが生成することが確認できた。本反応の形式的なファラデー効率は80%に達した。本手法は電気化学的エネルギーを物質エネルギーであるアンモニアへと変換可能であることを示す極めて興味深い研究成果である。今後は本電気化学的還元手法を利用したヨウ化サマリウムの使用量低減反応に応用する予定である。
|
Research Products
(36 results)