2019 Fiscal Year Research-status Report
雷撃の衝撃波による椎茸発生メカニズム解明と栽培促進技術の確立
Project/Area Number |
18K19251
|
Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 博幸 日本工業大学, 基幹工学部, 助教 (40337514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平栗 健史 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (90582817)
木許 雅則 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (80315126)
大田 健紘 日本工業大学, 基幹工学部, 助教 (50511911)
進藤 卓也 日本工業大学, 基幹工学部, 助教 (90749110)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 椎茸栽培 / 衝撃波 / インパルス電圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,雷撃時の衝撃波による椎茸発生のメカニズムの解明と栽培促進技術の向上を目的とし,第1段階「先行研究の再現性確認」と第2段階「衝撃波による効果とメカニズム解明」に分けて検討を進めている. 2019年度は,2018年度に実施した雷撃実験(インパルス電圧発生装置で発生した高電圧を榾木に直撃させず,雷撃地点から離隔させ,無印加の榾木との比較を行う)の再現性確認,雷撃時に発生する衝撃波を模擬する音波システムの構築を行うとともに,音波システムによる榾木への印加実験を行った. その結果,雷撃実験では,2018年度の結果と同様,無印加のケースと雷撃に曝すケースの比較では,雷撃に曝すケースは,椎茸の発生速度が早いこと,規定の傘直径に達する本数も多いことが明らかになった.このことから,他研究機関の先行研究のように,直接榾木へ高電圧を印加せずとも,成長促進効果がみられることが示された. 第二段階として,雷撃時に発生する衝撃波に着目し,音波システムによる実験を試みた.音波システムでは,雷撃実験時に発生した音をサンプリングし,この音をアンプとスピーカで発生させるものである.実験条件として,スピーカから発生された音が120bB,110dB,100dB,90dBとなる位置に榾木を設置し,無印加の榾木との比較を行った.その結果,無印加と比較し,音圧が高いほど,椎茸の発生数が多くなる傾向を示すことが明らかになった. 2019年度の研究の成果としては,査読付き論文:採択1件,条件付き採択1件,口頭発表:5件の発表を行っている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究進捗状況は,概ね計画通りに進行している.2019年度は,雷撃実験の再現性の検証,音波システムの構築と音波システムによる榾木への印加実験を行った. 雷撃実験の結果については,椎茸の榾木への直接的な雷撃によらずとも,椎茸の成長促進に効果があることが確認でき,査読付き論文として採択1件,条件付き採択1件となっている. 音波システムによる音響実験については,実験データの蓄積を行っている段階で,いくつかの学会での発表を行っており,次年度も引き続き実験条件の見直し,再現性の検討が望まれる.
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,音波システムによる音響実験のデータの精査,実フィールドでの実証実験の試行を予定している.また,椎茸の成長促進のメカニズムについて詳細な検討を行うため,電子顕微鏡による刺激印加後の椎茸菌糸の観察等を行う予定である. また,最終年度となるため,これまでのデータにて,査読付き論文化をする予定である.
|
Causes of Carryover |
2019年度は,旅費として98万円を計上していた.当初,関連する学会や情報収集のため,2月末以降の出張を計画していたが,新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,学会(国際会議含む)の中止が相次ぎ,予定した通りに旅費の支出がなかった.次年度は,状況を鑑みて,積極的に関連学会へ参加する予定である.
|
Research Products
(6 results)