2018 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of cancer metabolism and drug resistance regulated by S1P in triple negative breast cancer
Project/Area Number |
18K19576
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 研究准教授 (30743918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
五十嵐 道弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50193173)
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, フェロー (40162325)
阿部 学 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (10334674)
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00512310)
土田 純子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (90769415)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | スフィンゴシン-1-リン酸 / 乳癌 / 治療 / 脂質メディエーター / 癌代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は生物学的に悪性度が高く、薬物療法への抵抗性を生じやすく予後不良である。近年の網羅的遺伝子解析にも関わらず、TNBCは発癌や癌の悪化に寄与するドライバー遺伝子変異に乏しく、その病態メカニズムは未だ不明の点が多い。スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)は、脂質でありながらタンパク質と同じように情報伝達物質として働く脂質メディエーターであり、癌で重要な役割を担っている。私達は、「TNBCの高悪性度の病態は、遺伝子やタンパク質の異常だけでは説明がつかず、その背景には脂質メディエーターを介した癌代謝制御機構が関与している」と仮説を立て、本研究を企画した。本研究の目的は「脂質メディエーター・S1Pを介した癌代謝制御機構に着目してTNBCの病態メカニズムを解明し、新規治療法開発への研究基盤を確立すること」である。本研究実績として、TNBCマウスモデルを用いて、癌の発育進展においてS1Pが重要な役割を果たしていることが分かった。また、臨床検体のリピドミクス解析により、TNBC患者におけるスフィンゴリン脂質の動態について明らかにした。さらにS1Pにより制御される癌の代謝状態について、メタボローム解析を行い、データを収集した。さらに臨床病理学的因子との比較により、TNBCにおけるS1Pの臨床的意義を見出し、今後の治療開発へ向けた研究の礎となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は主に課題A、Bについて研究を行い、計画通りに進行している。以下に進捗状況の詳細を記載する。 課題A TNBCの増殖・浸潤、転移に関わるS1P癌代謝制御機構の解明:TNBC細胞株のS1P産生酵素(SphK1、SphK2)を各々ノックアウト(KO)し、癌代謝と増殖・浸潤能について実験を行った。SphK1/SphK2KO細胞をSphK1/SphK2KOマウスに移植し、癌の増殖について実験を行った。 課題B バイオインフォマティクスによるTNBCにおけるS1Pの臨床的意義の検討:TNBC症例に対し、新鮮凍結標本・血清を用いてS1Pを含めたリピドミクス解析を行った。 課題C TNBCの薬剤耐性に関わるS1P癌代謝制御機構の解明:課題Aで作製したKO細胞を用い、S1Pにより制御される癌の代謝状態について、メタボローム解析を行い、データを収集した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度以降は課題研究A~Cについて研究を進め、データを解析、統合していく。 課題A TNBCの増殖・浸潤、転移に関わるS1P癌代謝制御機構の解明:TNBC細胞株のS1P産生酵素(SphK1、SphK2)を各々ノックアウト(KO)し、癌代謝と増殖・浸潤能についての実験結果について、データを解析しまとめる。SphK1/SphK2KO細胞をSphK1/SphK2KOマウスに移植し、癌の増殖についての実験結果について、データを解析しまとめる。 課題B バイオインフォマティクスによるTNBCにおけるS1Pの臨床的意義の検討:TNBC症例に対し、新鮮凍結標本・血清を用いてS1Pを含めたリピドミクス解析を行った結果を解析し、データをまとめる。 課題C TNBCの薬剤耐性に関わるS1P癌代謝制御機構の解明:課題Aで作製したKO細胞を用い、S1Pにより制御される癌の代謝状態と、殺細胞薬や分子標的薬への薬剤感受性とを比較解析する。また、既存の治療薬とS1P標的治療薬との相乗作用を実験的に検証する。
|
Causes of Carryover |
試薬の納品が遅れたため、次年度予算で実験を実施することとさせて頂きました。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
[Presentation] Sphingosine-1-phospate Signaling Regulates Drug Resistance Mediated by Glutathione2019
Author(s)
Nagahashi M, Tsuchida J, Moro K, Ikarashi M, Nakajima M, Abe M, Saito T, Komatsu M, Soga T, Takabe K, Sakimura K, Wakai T
Organizer
The 14th Annual Academic Surgical Congress
Int'l Joint Research
-
-
[Presentation] Tumor mutation burden in triple negative breast cancer patients in Japan2018
Author(s)
Nagahashi M, Ling Y, Hayashida T, Kitagawa Y, Futamura M, Yoshida K, Kuwayama T, Nakamura S, Toshikawa C, Yamauchi H, Yamauchi T, Kaneko K, Kanbayashi C, Sato N, Miyoshi Y, Tsuchida J, Nakajima M, Shimada Y, Ichikawa H, Lyle S, Takabe K, Okuda S, Wakai T
Organizer
2018 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting
Int'l Joint Research
-